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俳句|河童忌やアキユタガアワ君のヘル談

lylinさんの投稿で、芥川龍之介の忌日が七月二十四日であると、改めて認識しました。

私が読んだ芥川龍之介は、『羅生門』を授業で、あとは『蜘蛛の糸』や『鼻』くらいでしょうか。とにかく、内田百閒の『私の「漱石」と「龍之介」』に描かれた姿の方が、本人の作品よりも印象深い。

大学の希臘羅馬ギリシャローマ文学史の講師、コットさんが、芥川をアキユタガアワと、しきりに呼ぶので覚えしまったとか(『竹杖記』)、機関学校の喫煙室では、「ヘルダン」が達者だったと聞いたとか(『白浜会』)。ちなみに「ヘルダン」とは、猥談のことで、百閒のエッセイを引用すると、『助平の助が英語のヘルプで、それが詰まつたからヘル談となる』らしい。

百閒の描く龍之介は、才気煥発、チャーミングで、とてもヴィヴィッドだ。同時に、悲しみも生々しい。

最後に『私の「漱石」と「龍之介」』の中の『亀鳴くや』から引用します。

『芥川君が自殺した夏は大変な暑さで、それが何日も続き、息が出来ない様であつた。余り暑いので死んでしまったのだと考へ、又それでいいのだと思つた。』


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