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猫の日企画|猫を感じる図書2冊

猫を飼ったことはないけれど、その姿が見えるような、柔らかな手触りを感じるような書籍を選びました。ニャンだけに二冊。

1.『猫のいる日々』大仏次郎

鎌倉文士、大仏次郎の猫の随筆56篇、小説や童話も収録されています。この数の多さが、常に十匹を下らない、最高で十五匹の猫と暮らした様を表しているようです。

障子は破る、昼夜かまわず駆け回る、鼠も取らない。「気持がよく満足」することだけしている。贅沢で我儘で冷淡で、神経質な気取り屋、孤独を好み、人懐こくもある美しく可憐な「座敷の虎」たち。

猫に生まれ変わりたかった大仏次郎、願いは叶えられたのでしょうか。

2.『ノラや』内田百閒

こちらは、猫がいなくなってからの日々が綴られています。存在の欠落は寧ろ、存在感を際立たせます。猫が帰って来ない。心配で仕事どころではなかったはず。

平山三郎の解説の中に、百鬼園先生宛ての手紙が『ノラ来簡集』から一部、転録されています。猫が帰るおまじないを書いている手紙もあるので、実用書として挙げてみました。

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番外『長靴をはいた猫』シャルル・ペロー澁澤龍彦訳

翻訳した澁澤龍彦が、「大いに気に入った」、「ダヤン将軍のように片目に眼帯をしている」猫(挿絵は片山健)が表紙なので。黒いアイパッチは、ひとを魅了してやみませんね。

「 」内引用はそれぞれの書籍から

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