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鷗外の食卓(翻訳篇)4『祭日』ライネル・マリア・リルケ

 女主人は肉の小さい切れを、大骨折をして皿に取つた。それから附け合せの蒸米(むしごめ)を取つたが、その様子は先代の主人にも、先先代の主人にも、フイレエ肉を差し上げたことのある、この老人の顫えてゐる手から、祝福を受けるのかと思はれるやうであつた。

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『祭日』 ライネル・マリア・リルケ  森林太郎訳

出典 えあ草子・青空図書館 青空文庫

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