かの子の食卓 9 『 上田秋成の晩年 』
茶瓶に湯が注がれて、名茶『一の森』の上臈の媚びのやうな淡いいろ気のある香気が立ちのぼつた。彼は茶瓶をむづと掴んだ。茶瓶の口へ彼の尖がつた内曲りの鼻を突込んだ。茶の産地の信楽の里の春のあけぼのの景色も彼の眼底に浮かんだ。
『上田秋成の晩年』岡本かの子
出典 えあ草子・青空図書館 青空文庫
これで、あなたもパトロン/パトロンヌ。
茶瓶に湯が注がれて、名茶『一の森』の上臈の媚びのやうな淡いいろ気のある香気が立ちのぼつた。彼は茶瓶をむづと掴んだ。茶瓶の口へ彼の尖がつた内曲りの鼻を突込んだ。茶の産地の信楽の里の春のあけぼのの景色も彼の眼底に浮かんだ。
『上田秋成の晩年』岡本かの子
出典 えあ草子・青空図書館 青空文庫
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