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復職、葛藤、思案。

休職期間中に己の病状としっかり向き合い、来たる職務復帰に向けて考えや出来事を綴っていこうと開設した、このNoteアカウント。
脳内で渦巻くものをできるだけ言語化・可視化していくことを目的に、数本のNoteを公開した。
以後しばらく間が空いていたのだが、実はこの度晴れて復職する運びとなった。
今回のNoteは、空白期間中の出来事を含めつつ、復職したいま私の脳内を回り回っている思考を言語化するものである。
思うままに書き連ねていくので、このNoteが最終的にどれだけの文量となるのか、まるで未知数である。

精神科にて、最後の審判

4月中旬。
休職期間中、最後の診察日。
その日は不安と緊張で押し潰されそうだった。
予定通り休職期間を終えさせてもらえるのだろうか。
客観的に見て私の病状はどう判断されるのだろうか。

休職と通院による療養の結果を主観的に評価すると、「無になった」。
一時大荒れだった感情の波は服薬のおかげで落ち着いた。
落ちてしまうと抜け出せないどん底から救い上げてもらった。
その代償に、天井が随分低くなってしまった。
何事にも興味が湧かない。一切の気力がない。
ベッドの上、ただ存在するだけの日々。

主治医には、素直にありのままの現状を伝えた。
復職のために小手先の嘘をついたところで、見破られて逆効果となるオチだろう。
この現状を聞いて主治医はどう判断するか……目を見る勇気も出ないまま構えていると、
「このままの処方で続けていきましょう。次回の診察日ですが……」
休職のことについては一切触れられなかった。

このとき、私は聞くべきだった。
「仕事の方はどうすればいいですか?」
主治医も休職期間の末日を失念していたかもしれない。
私は、あえて聞かなかった。
どうしても復職したかったから。


手続きに手がつかない

医師の指示を待たず半ば強引に復職を決めた頃、時を同じくして職場からも復職に関しての打診があった。
所定の手続きについて説明するので、郵送した書類を確認の上で職場へ電話連絡をするように、と。

届いた郵便物の封を切るのに2日。
内容物へ目を通すのに2日。
職場へ電話をかける勇気を溜めるのに1週間。
溜めに溜めた勇気を振り絞り電話をかけるのに数時間。

念願の復職のために必要な手続きだというのに、ひとつひとつが恐ろしく気重だった。
外部に向けて電話連絡や事務手続きをするのが、復職後の私の主たる業務である。
身内である上司や同僚へ連絡するのにこれほど後込むようでは、業務など手につかないのではないか?
自身の現状に、今更になって不安を覚え始めていた。


再開ではなく、やり直し

復職初日。
久々に出勤してきた私を待ち受けていたのは、とてもあたたかく、そしてひどく生ぬるい環境であった。

心理的負担の大きい業種のため、周囲の理解はとても厚い。
「おかえり、戻ってくるの待ってたよ」「無理のないように」「ゆっくりやっていこう」
上司や同僚と再会するたび、それぞれ皆あたたかい言葉をかけてくれる。
こちらから頼むまでもなく、本来から大幅に出勤日数を減らしてくれている。
休職中に業務負担の偏重化が問題視され、私が抱え込んでいた膨大な業務は満遍なく各職員へ分担されていた。

手厚い配慮に感謝するべきところを、私はショックで打ちひしがれてしまった。
忙しかったけれど皆に頼られて幸せだったあの日々は帰ってこない。
腫れ物扱いされながら細々と働く日々が始まるのだ。
業務を周りに取り上げられすぎて、定時内ですらやることが見つからない。
なんとか業務を探し出し、どうにか仕事をするふりをして、定時になれば「無理しちゃダメ」と追い出される。
戦力外通告を受けた気分だ。

善意による環境調整であることは承知している。
自身のキャパシティに合った働き方を考えていく必要があることもわかっている。
私の受け止め方が歪んでいると自覚しているが故に、この新しい環境が本当に、本当に苦しい。

今まで無理をして血反吐を吐きながら勝ち得たキャリアは白紙に。
その上に、負担なく穏やかに働いていく世界線を上書きされている。
無理をする方が性に合っていたのに。


思い悩むことは悪なのか

以前、主治医から「考え込んではいけない、考える時間を減らすように」と指導されたことがある。
確かに、私は余計に考え込みやすい性格である。
他者の言動に対して勝手に慮り、勝手に苦しめられやすい。
事実と被害妄想の区別がつかなくなってくることもある。

しかし、私はこの性格を手離したくない。
他者の感情を受容し、自身の感情に折り合いをつけるための大事な過程なのだ。
過剰に受け止めすぎて苦しむこともあれど、最終的には飲み込める。
早々に「まぁどうでもいいか!」と気分を切り替えられる人と比べると、切り替えに時間と痛みを要する厄介な性格かもしれないが。


考え疲れてきたので、本日はここまで。
再び働き始めた中で感じたことや考えを、今後も少しずつ記録していきたい。

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