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ラネーNi触媒について

多分学生の頃に一度は勉強したことがあるはずだけど全く聞き慣れなかったので改めて調べてみた。

ラネーニッケルってなに?

まずはWikipediaの記述。

ラネー合金(ラネーごうきん、Raney Alloy)は、ある反応に対して触媒活性を有する金属と、その金属が溶解しない酸やアルカリで溶解除去される金属との合金である。1925年にアメリカの技術者マレイ・ラネー (Murray Raney) によって考案された。
ラネーニッケル触媒はアルミニウムを溶解したときに発生する水素を吸着しているため、水素ガスを使用しなくても水素化の能力がある。水酸化ナトリウムでアルミニウムを除去する工程を活性化とも称する。
ラネー触媒は金属が溶解したときに細孔が多数生じてスポンジ状になっている。このため、非常に大きな表面積を有し、極めて高い触媒能力を有する。

Murray Raney博士(1885〜1966、アメリカ、ラネー触媒会社)という人から取った名前の触媒らしい。

金属表面に水素がくっついているからそれで水素化させる。

触媒の主な作用は水素を活性化して、金属に結合した水素を触媒表面に作り出すことである。触媒表面に金属原子と結びついた水素原子が、触媒に吸着したアルケン炭素に移る。

触媒による水素化.001

水素化反応は不均一系触媒(反応系中で不溶な触媒)の表面で起きる反応なので触媒の表面積が大きいほど有利になる。スポンジ状の細孔で表面積を大きくして触媒の効率を上げているのがラネー金属ということのよう。

ちなみに図の通りシン付加(立体的に同じ側からくっつく)でHがくっつく反応。

金属触媒なしに強固なH-H結合を熱的に切断することはエネルギー的に不可能なんだそう。


以上、簡単にラネーNi触媒と水素化についてでした。


参考情報

ボルハルト・ショアー 現代有機化学(化学同人)


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