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会席料理を撮るときのメモ

さいきん旅館のお料理を撮るお仕事をいただけるようになってきたので、自分のやり方をまとめたメモを書いておきます。専門でやっている方には敵いませんが、より良く撮りたいので練習しています。

必要な機材

専門のカメラマンからすれば、わざわざ書かなくても当然持っていくでしょ、みたいなものもわざわざ書いてみています。

車のトランクがパンパンになるけど、万が一のことを考えて多めに持って行ってしまいます。

カメラ

レンズ交換ができるボディがいい。APS-Cでもフルサイズでも

僕が使っているもの→SONY α7Ⅲ(23万円くらい)、Canon EOS 6D MarkⅡ(20万円くらい)のどちらか

レンズ

75〜150mm程度で撮りたいので、どこかに対応しているもの。単焦点でも悪くはないが出来ればズームレンズが安心。キットレンズとかでもいい

僕が使っているもの→TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(10万円くらい)、EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM(4万円くらい)

三脚

細かく角度調整ができるもの(できないものなんか無いか)

照明

ストロボ or LED等の定常光。合計3灯くらいあると安心。1灯でも撮れはする。

ディフューザー

ソフトボックスやアンブレラ。大きいほどいい。

ワイヤレスフラッシュトリガー

クリップオンストロボを遠隔で光らせるためのアレ。

レフ版

手前の影を持ち上げるため必須。大きい丸レフ板でもいいし、小物用のやつでもいい。でも大きいほうがいい。

トレーシングペーパー

ディフューズ用に展開する。芯の穴が広いやつじゃないと固定がむずい。

ライトスタンド

LEDは下に直置きすることも多いので結局あまり使わないが、怖いのでいつも4本持っていく。トレペ固定にも使う。

トレーシングペーパーを固定する器具

T字の背景スタンドとかを工夫して使うこともある。
強力洗濯バサミみたいなやつも使う。

料理の背景

メラミンボードか黒いPVCシートあたり。

クイックルワイパー的なやつ

ボードのホコリ取り。

料理の装飾

できれば旅館や店に用意してもらうほうがいい。

ドラムコード

電源確保のため必須

踏み台

三脚を伸ばし、ちょっと高い位置から撮ることもある。お店の椅子等が借りられればそれでもいい。

ガムテープ

機材の固定など、なにかと役立つ。

パソコン

テザー撮影。撮ってすぐにLightroomなどに送り込み、クライアントと一緒にチェックする。iPadとかでもいい。充電器一式も忘れずに

テザー撮影用のコード

忘れがちだがやはり有線のほうがレスポンスがいい。

メモ帳・筆記用具

撮影すべきカットや料理の見落としがないか確認するため持っていきたい。


持っているものでどうにかする

機材の確認

  • カメラバッテリーの充電

  • カメラセンサーをブロワーで掃除

  • 記録メディアのチェック

  • ストロボの電池を確認、予備を購入

  • LEDの電球切れがないかチェック

  • ワイヤレスフラッシュトリガーの電池を確認、予備を購入

セッティング

  • 焦点距離を稼いで歪みを減らすため、場所を広く確保する

  • コンセントの位置を確認、ドラムコードを取り付ける

  • メラミンボードを十分にきれいにしてテーブルか床に置く。埃はクイックルワイパー的なもので取る

  • ボードの代わりに黒いPVCシートでもよいが、若干ザラつく

ライティング

  • 定常光かストロボで逆光〜反逆光の光源を確保。この光が一番強いといい。1灯だけ焚くならここ。トレーシングペーパーを使う

  • 後ろから光を当てると手前が影になるので、その暗さをレフ板で起こす。もしくは1灯焚いて光を当てるのでもよい

  • 必要に応じてサイドを足す。料理や皿のディティールを出したい時など(黒いボードに黒い皿を乗せるとボヤッとすることがある)

構図・配置

  • 飾りつけの鮮やかな和紙をはさむ(法事以外)。コースによって複数種類あるとよい

  • 全て揃っているか確認。チェックリストを作るとよい

  • 周囲に十分な空間を持たせる。6:4で使うかもしれないし、16:9で使うかもしれないのでトリミングしやすくしておく

  • 器・料理の向きチェック。皿によっては「正しい向き」がある

  • 高いものは奥に配置(原則)

  • メイン料理は中央か手前

  • 小鉢でスペースを埋める。スカスカに見えないようにすることが大事

  • 料理本体を他の皿等で隠さない。被らないように気をつける

  • 個数がわかりやすいように盛り付けてもらう。肉が3枚なのに2枚に見えてはいけない

配置は基本的に協力していただいている。これまでの撮影データがあれば、それを印刷するかタブレットに表示すると良い。また、ライブビューを映すとかなり役立つ。

料理の状態

  • 肉や刺身に照りがなくなったらハケでみりんを塗ってもらう

  • 味噌汁などの味噌が沈澱していたら掻き混ぜる

  • 海老天は後ろを立たせる。爪楊枝等を使う

  • 活きアワビの機嫌が悪いときはちょっと撫でるとかする

  • 肉の色はある程度レタッチで補完できるので、神経質になりすぎない

カメラ設定

  • SS:三脚で撮るのでそんなに関係ない。1/60〜1/125くらいで撮れればいいのでは(フリッカー注意)

  • 焦点距離:75〜150mmくらい。広角で撮ると料理が歪むのでなるべく遠くから撮る

  • F値:16程度。低すぎると奥がボケるのでなるべく絞る

チェック

テザー撮影し、スタッフの方と一緒に配置を微調整していく。その場でOKをもらい、採用カットにはLightroom上でマークをつけておく。

編集

撮って出しの状態

Lightroomで調整

まずはLightroom上で色味や明るさなどを調整する。
明るさ↑、ハイライト↓、自然な彩度↑、オレンジ色彩度↑で大体うまそうになる。

Lightroomで調整しました

Photoshopでがっつり編集

次に、Photoshopに移行して編集する。ホコリを取る程度の軽微な修正はLightroom上でもできるが、どっちにしてもPhotoshopに移行して編集するので最初からそうしてしまったほうがいい。

  • 修正ツールでホコリを取る

  • センサーの汚れも取る(本当はカメラをクリーニングに出したほうがいい)

  • 余計な背景を消しゴムで消し、消した部分を選択して「コンテンツに応じた塗りつぶし」を活用して頑張って背景を補完する

  • その他、部分的に修正したいポイントがあればコピースタンプ等でいじる

  • 納品形式に応じてトリミングして書き出す

完成しました

参考
https://yamasha.net/meals-photo
https://note.com/akirakatagiri/n/nd50b5479755f
https://note.com/akirakatagiri/n/n84557da78f68



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