0042-20170827【10分で読める!ビジネスパーソンのためのニュース振り返り】
今週の振り返り、時事ポイントは以下の6点です。
1.北朝鮮情勢 2.アフガニスタン情勢 3.日韓関係 4.イエレンFRB議長講演 5.民進党代表選 6.サムスントップ有罪判決
1.北朝鮮情勢
8月21日から定例の米韓合同軍事演習「乙支(オルチ)フリーダムガーディアン」が開始されました。
この合同軍事演習は、従来は乙支フォーカスレンズと呼ばれていましたが、2007年に名称変更しました。戦時作戦統制権を在韓米軍から韓国軍に移管することが具体的に検討され始めたことをきっかけにしています。
作戦統制権は1950年の朝鮮戦争が勃発したため韓国軍から国連軍、そして米軍へと移管されました。1994年に平時作戦統制権は韓国軍に戻されましたが、戦時については在韓米軍が保持しています。
現行スケジュールでは2020年代半ば頃を目安に移管が予定されており、この合同軍事演習の内容も移管を念頭においたものになっています。
そのため、韓国軍が主導し米軍が支援する形で行われます。内容はコンピュータによる机上シミュレーションが中心となっています。
なお乙支(オルチ)とは朝鮮半島北部を拠点にしていた高句麗の名将「乙支文徳」にちなんでいます。
演習は、31日まで続く予定です。
この定例の米韓合同軍事演習について北朝鮮は中止を求めており、22日には「無慈悲な報復と容赦ない懲罰を免れない」と発言していますが、従来の表現から逸脱したものではなく、今のところ北朝鮮からの威嚇・挑発行為は控えめに推移しています。
一方の米国側からはむしろ対話に向けての発言が増えてきています。
22日夜にトランプ大統領は、自身の支持者集会において「(金正恩委員長が)米国を尊重し始めた。我々もそれに敬意を表する」と唐突に北朝鮮を持ち上げる発言をしました。
8月5日に国連安全保障理事会において北朝鮮からの石炭・鉄鉱石の輸出禁止などの追加制裁が採択されて以降、北朝鮮が挑発行為に出ていないことを受けてのことと思われます。
北朝鮮問題については、安保理追加制裁の確実な実行が求められますが、中露のサポート無しには達成が難しいです。
米国は北朝鮮への軍事的圧力を強める一方、経済面では中露に圧力をかけることにより、間接的に北朝鮮を締め上げていく方針です。
北朝鮮の核・ミサイル開発に加担していると思われる中露などに拠点を置く企業10社と個人6人に対して、米国は追加制裁を行う旨を22日に発表しました。
国連決議に基づかない米国の単独制裁に対して、中露は反発姿勢を見せていますが、その一方で米朝の対話実現を期待する旨の発言があるなど、北朝鮮問題に対する進展への期待感も醸成されつつあります。
トランプ発言や中露への単独制裁の発表があった22日には、ティラーソン米国防長官がアフガニスタンに対する米軍の新戦略を公表する場で、それに先立って「北朝鮮は自制を示している」と発言をしています。
膠着している北朝鮮問題が解決される糸口が出始めてきました。
しかし、8月26日の朝に北朝鮮は短距離ミサイルを発射しました。9月9日には北朝鮮の建国記念日が控えており、核実験強行等の挑発行為の有無に関して予断は許さない状況は続くものと見られます。
2.アフガニスタン情勢
8月21日にトランプ大統領は、アフガニスタンに対する米国の新戦略を発表しました。
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