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#0173【相争う「剛」の兄と「智」の弟(旧約聖書、エサウとヤコブ①)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。
前回【0172:イマも紡がれゆく系譜(旧約聖書、イシュマエルとイサクの系図)】の続きです。

<>内は旧約聖書からの引用を基に記述。

<イサクとリベカの間に生まれた双子の長男エサウと次男ヤコブは成長していきました。

エサウは巧みな狩人で野の人となりました。ヤコブは穏やかな人で天幕で働く人となりました。

イサクはエサウを愛しました。彼が狩ってくる獲物が好物だったのです。

ある日のことです。ヤコブが煮物をしていると野原から疲れ切った表情でエサウが帰ってきました。

「ヤコブよ、その赤いもの(アドム※)、レンズ豆を食べさせて欲しい。」
※のちに古代パレスチナに在住したエサウの子孫(伝承)はエドム人と呼ばれるようになります。

エサウはヤコブにお願いすると、ヤコブはこう言いました。

「まず、お兄さんの長子の権利を譲ってください。」

「ああ、もう死にそうだ。長子の権利などどうでもよい」とエサウが答えるとヤコブは畳みかけるように「今すぐ誓ってください。」と伝えました。

エサウは誓い、長子の権利をヤコブに譲ってパンとレンズ豆の煮物を飲み食いして立ち去りました。

エサウは長子の権利を軽んじたのです。>

前回の誕生時から、ヤコブはエサウのかかとを掴んで生誕したと記述されるように負けん気が強く、自分が兄よりも後に生まれてきたことを悔しく思っていました。

その性格は正反対で、兄は粗野な面もありますが純朴であり父イサクに気に入られていました。

一方のヤコブはずる賢い面もありますが、穏やかな性格をしており母リベカに愛されていました。

ことあるごとに対立する二人。

しかし、エサウは異邦人であるヘト人(ヒッタイト人)から二人、妻を娶ります。このことは父イサクにとっても悩みの種となりました。

アブラハムは自分の息子であるイサクの妻を同郷へわざわざ人を遣わしてリベカを嫁に見出したのです。

エサウに悩みの種が生じたはいえ、父イサクはエサウのことを愛していました。

エサウの短慮でヤコブに対して「長子の権利」を譲渡したとはいえ、それはあくまでも兄弟間の話です。

父自体が、どちらを後継者にするかは全く別の話です。

エサウとヤコブの対立は、父イサクの死の間際に決定的となるのでした。

以上、本日の歴史小話でした!

(続き:No.174【父母兄弟。入り乱れる家族の愛憎(旧約聖書、エサウとヤコブ②)】)

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