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20180707社説から見る現代日本

おはようございます。西日本を中心に大雨に関する警戒が必要な七夕です。

昨日、元教祖ら7人の死刑が執行されました。これを受け本日は全紙でオウム事件を取り上げています。

以下、各紙社説からの引用です。

日経:「「オウム」が終わっていないことは、教団の後を継ぐ団体に、いまも新たな信者が入信していることが証明している。街角や大学やインターネットの世界から、若者を狙うカルト的な集団が姿を消したわけでもない。」

読売:「死刑執行を機に、松本死刑囚が「神格化」され、信者らの活動が先鋭化するのではないか、との懸念がある。注意深く監視を続けることが肝要である。カルト的、狂信的な考え方は、インターネットを通じて格段に拡散しやすい時代になった。第二のオウムは絶対に生み出さない。その認識を社会全体で共有することが何より大切だ。」

産経:「あれだけの重大事件を起こした教団の後継団体を解散させることさえできない社会が正常であるとは、到底いえまい。オウム真理教は坂本弁護士一家殺害、松本サリンなど数々の事件を重ねて地下鉄サリンに至った。疑いは早くから教団に向けられており、大惨事を防ぐ機会は何度もあったはずだ。要因は数多くあるが、最も大きなものは早期の本格捜査を阻んだ根拠法の不備である。法の整備でテロに強い国家に生まれ変わらない限り、オウム事件が終わったとはいえない。」

毎日:「このような理不尽な犯罪が、なぜ優秀だった多くの若者を巻きこんで遂行されたのか。その核心は、いまだ漠としている。(略)日本の社会にとってオウム事件とは一体、何だったのか。松本死刑囚は真相を語ることなく、刑が執行された。それでも、その問いかけは依然私たちにとって重い意味を持つ。」

朝日:「事件の教訓は、憎悪に基づく無差別殺傷やテロを防ぐ手立てを考えるヒントになるに違いない。中でもとり組むべきは、教団が若者を吸い寄せ、拡大を続けた理由を解き明かすことだ。元信徒らの発言や手記をたどると、神秘体験への好奇心や当時の仕事への幻滅などから入信し、その後「ここにしか真実も居場所もない」と思いつめていった様子がうかがえる。社会への小さな違和感がめばえた段階で、他に頼れる場があったなら、と思わずにはいられない。ところがいまの日本は、その「場」を用意するのではなく、むしろ自分たちとは違うと思った存在を排除し、疎外感を募らせる方向に流れてはいないだろうか。」

<社説一覧>
日経:米中は制裁を撤回し対話で摩擦緩和を/刑執行で終わらぬオウム事件
http://www.nikkei.com/news/editorial/

読売:松本死刑囚執行 「オウム」を再び生まぬ社会に(2018年07月07日)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/

産経:元教祖ら7人死刑 執行は法治国家の責務だ 終わってはいないオウム事件
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html

毎日:松本死刑囚ら7人の刑執行 再び闇を生まないために
https://mainichi.jp/editorial/

朝日:オウム死刑執行 根源の疑問解けぬまま/参院選改革 今国会にこだわるな
http://www.asahi.com/news/editorial.html

※『社説から見る現代日本』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m70d97edb0376

※『1日1分歴史小話』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m7db9a358d26a

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