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20180529社説から見る現代日本

おはようございます。
本日のオススメは毎日の「生活保護受給者に後発薬 社会の公平性どう考える」です。

後発薬(ジェネリック医薬品)は、先行薬の特許権が切れた後に、同じ有効成分を用いて作られます。ただ、薬効が同じでも形状や添加物が異なります。

生活保護受給者について、原則として後発薬を処方することは生活保護費を抑える上で必要な手立てかもしれませんが、公平性の観点から議論のあるところだと思います。

以下、毎日社説からの引用です。

「生活保護法改正案が今国会で成立する見通しとなっている。4兆円近くに上る生活保護費の約半分を占める医療費を抑えるため、受給者には原則として低価格の後発薬(ジェネリック医薬品)を処方することが盛り込まれている。

(中略)

受給者だけでなく、政府は国民全体にも後発薬の使用促進を図っている。ジェネリック医薬品の使用割合が1%上がれば10億~15億円は削減できる。医療費全体の膨張を抑えることにつながるためだ。

ところが、日本全体の後発薬の使用の割合は現在65%。米国の90%をはじめとする諸外国に比べて低い。このため、2020年9月までに後発薬の使用を80%にすることが、昨年6月に閣議決定された。

生活保護の受給者だけをターゲットにするよりも、国民全体で後発薬の使用を進める方が医療費を抑える効果ははるかに高い。お金のない人を自動的に後発薬とすることによる差別感を避けることにもなる。

日本には貧困層への医療に配慮してきた歴史がある。1911年には貧困者に無料で薬の投与、治療を行う「施薬救療の大詔」が発せられた。雇用労働者を対象にした旧健康保険法の施行(27年)より前のことだ。現在も保険証のない困窮者に対して無料低額診療制度がある。

(中略)

社会的公平性を守りながら、医療制度を持続可能にするには何が必要か。公的医療が担ってきた社会に対する国民の信頼や連帯感についても深く考える必要がある。」

<社説一覧>
日経:地銀は生き残りへ再編も視野に入れよ/特別委での事実解明も一案だ
http://www.nikkei.com/news/editorial/

読売:衆参予算委 繰り返しの論議に辟易する/成年後見 利用者本位の制度へ見直しを
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/

産経:日露首脳会談 四島返還の道筋が見えぬ/競泳でドーピング 自らを守る厳しさ必要だ
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html

毎日:加計学園「虚偽の面会報告」 首相が怒らない不可解さ/生活保護受給者に後発薬 社会の公平性どう考える
https://mainichi.jp/editorial/

朝日:森友加計審議 政治の惨状、首相に責任/たばこ対策 世界に追いつくために
http://www.asahi.com/news/editorial.html

※『社説から見る現代日本』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m70d97edb0376

※『1日1分歴史小話』マガジンhttps://note.mu/1minute_history/m/m7db9a358d26a

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