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20171003社説から見る現代日本

おはようございます。東京は昨夜の雨から急激に冷え込みました。どうぞ皆さん、ご自愛のほどを。

本日の社説は全紙で野党再編について、また自民党の公約公表について、読売・毎日・朝日が取り上げています。

日本の衆議院選挙において、民進党の混乱はようやく収まりを見せてきました。これまでの動きを踏まえて、選挙における対抗軸を大別すると以下のとおりになると思います。

改憲を目指す保守系勢力(与党):自民・公明連立与党

改憲を目指す保守系勢力(与党外):希望の党・維新の会

護憲を目指すリベラル系勢力:立憲民主党、共産党、他

「保守」といえば、現行維持を目指す言葉なのですが、そこに右派的な意味合いが加わり、日本の防衛のためには特に自衛隊の憲法上の取り扱いを明確にすべきとの論議から「改憲:憲法改正」と繋がっている点が日本の興味深い点です。

民進党から憲法改正に反対姿勢を持つ勢力が「立憲」と党名につけたのも極めて日本的に感じます。

歴史的に「立憲主義」は憲法の定めに従い専制君主による恣意的な政治を排除することを示してきました。

現行憲法には、3分の2以上の賛成があれば憲法改正の発議が可能とされているため、改憲であれ護憲であれ、どちらも憲法に立脚した政治といえると思います。

この「立憲」の意味するところは、強権的な政治姿勢の安倍総理や「排除する」発言の小池都知事に対する反対という意味のようにも感じてしまいます。

また、本来であれば共産主義導入を目指すべき共産党が「護憲」を標榜している点も興味深いです。現行法制度を維持したまま、共産革命の理念・理想を追求することは憲法軽視に繋がらないのか、非常に不思議な思いを抱いています。

ようやく野党の動きが落ち着いてきたので、これから出される公約に注目ですが、10月2日午後に自民党はいち早く選挙公約を公表しました。以下6点が重点項目です。

①北朝鮮への圧力強化
②アベノミクス加速によるデフレ脱却
③「生産性革命」による国民所得の増加
④保育・教育の無償化を柱とした「人づくり革命」
⑤震災復興を含む地方創生
⑥自衛隊の明記など4分野を中心とする憲法改正

まだ自民党ホームページへのパンフレット掲載は確認できていませんが、以下URLに掲載される見込です。https://www.jimin.jp/policy/manifest/

さて、本日のあえてのオススメ社説は毎日の「日本の岐路 自民党の選挙公約 再び検証を欠く上書きか」です。

批判的な目線で、与党の公約を検証する姿勢は必要だと思います。その上で与党以外の発するメッセージとどちらに信頼がおけるのかを峻別することが有権者に求められています。

以下、毎日の社説からの引用です。

「あの手この手で看板を差し替えては耳目を引こうとしてきたのが安倍自民流の選挙公約である。

 一方で、国と地方の基礎的財政収支黒字化目標の「20年度」は削除され、女性の活躍の文字も消えた。

 過去の公約を総括せずに新たな政策を繰り出しても、また中途半端に終わるのではないか。そんな疑念を持たれても仕方ないだろう。」

<社説一覧>
日経:17衆院選 政策本位の野党再編であれば悪くない/企業は賃上げで好循環を促せ
http://www.nikkei.com/news/editorial/

読売:自民党公約 9条改正を正面から論じたい/野党再編 政策一致の原則を貫けるのか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/

産経:米中と北朝鮮 大統領訪問までに成果を/枝野氏ら新党 左派分離はわかりやすい
http://www.sankei.com/column/newslist/editorial-n1.html

毎日:日本の岐路 自民党の選挙公約 再び検証を欠く上書きか/民進党左派が新党結成へ この分裂はやむを得ない
https://mainichi.jp/editorial/

朝日:衆院選 民進党分裂 政策を軽んじた末に/衆院選 自民改憲公約 国民には語らないのか
http://www.asahi.com/news/editorial.html

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