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「地域格差」に気付きにくい教育システム(ちょっとカタイ話)

 田舎の公立の小学校、中学校、高校には、共通する特徴があります。
 
「だいたい同じ年齢」
「今住んでいる場所がだいたい同じ」
 
公立高校は通学範囲が広がるものの、「だいたい同じくらいの学力」が加わります。
 
教員も、案外その傾向があります。
「だいたい同じ市区町村に住んでいる、もしくは隣の市区町村」
「だいたい教師経験のみ」
「大学卒(しかもけっこう同じ大学)」「親も教員」  
などです。もちろん、そうでないこともたくさんあるでしょう。
 
 
田舎の公立の小、中、高校では「似た者同士」が集まる傾向にあります。
だから、他の地域との違いや、多様性について学ぶ機会は少ないと考えます。
 
 
例えば東京などの大都市は、いろんな地域からいろんな人が集まります。
田舎と比べて、多様性が生まれやすい傾向にあります。(別の苦しさもあるでしょう)
 
田舎の生徒や先生は、徒歩や車がメインです。家の玄関を出て、学校の玄関に入ります。
都会では、家の玄関を出たら、電車やバスのドアを通過します。つまり、登下校や通勤の前後にいろんな広告を見たり、寄り道をしたり、デパ地下に行ったりできるわけです。これは大きな違いだと思います。
 
人口も多いので、情報や使える施設も多いです。
私は高校生の頃、東京に勉強するために、夜行バスに乗りました。まだネットがなかった時代です。22時にバスにのって、朝6時に新宿に着きます。でも、首都圏に住んでいる人たちは、時間や交通費をかけなくても、勉強することができます。今はネットもありますが、それでもリアルとオンラインの違いはまだまだ大きい。
 
 
文献
松岡亮二 2019 教育格差 -階層・地域・学歴- ちくま新書
 
あまり知られていないことではありますが、田舎と都会、学歴、階層には、大きな格差があります。
著者である松岡先生の講義を受けたことがあります。とても情熱的で素晴らしい方だと思いました。ちょっと難しい本かもしれませんが、ぜひ読んでいただきたい本のひとつです。

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