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理想の教育はあるか?

 難しい問いですが、今の私は「ない」と思います。
 
 
まず、教育の目的です。
日本国憲法では、「人格の完成」が目標です。
(私は教員でありながら、人格は完成するものなのかという素朴な疑問があります…)
 
 
子どもの権利条約(政府訳)では、
第29条1項(抜粋)
締約国は、子どもの教育が次の目的で行われることに同意する。
(a)子どもの人格、才能ならびに精神的および身体的能力を最大限可能なまで発達させること。
 
となっています。
(個人的にはこちらの方がしっくり来ますが「最大限発達させなければならないのか」など余計にクリティカルしてしまいます…)
 
 
教育は、個別性が高いです。
子どもによって、ふさわしい指導法が変わります。
しかも、その子の年齢、発達段階、その日の気分、家庭環境でも変わります。
さらに、保護者の状況も様々です。
教師との相性や指導方針もあるでしょう。
 
そこに、統一された理想、具体的な教育の形を目指すのは難しい。
むしろ、「具体的にしない方が理想だ」とさえ言えるでしょう。
 
 
なお、別の視点として、
「社会構成主義」
の考え方もあります。
理想の教育は、立場や視点によって、大きく変わります。
 
(社会構成主義で一番分かりやすかった本)
【現実はいつも対話から生まれる ケネス・J・ガーゲン (著), メアリー・ガーゲン (著), 伊藤 守 (監修・翻訳), 二宮 美樹 (翻訳)】
 
 
もちろん、理想の教育のおおまかな方向は示せそうです。
おそらく
・多様性
・インクルーシブ
・ウェルビーイング
・平和構築
 
などでしょう。
なお、それぞれに専門家がたくさんいるくらい、詳細な考え方があります。
例えば平和構築なら、JICAさんの平和構築の考え方もあるし、ESD学会でうかがった平和教育の考え方も興味深かったです。
 
 
多分、理想の教育は、「理想になったら終わり」です。
完成したら終わりなのです。
 
調和は静止。
 

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