ウルフの『自分ひとりの部屋』を、現代日本に引き寄せて考えてみた
先日、職場の近しい人に「もし不労所得で生活していけるなら、仕事辞めますか?」と聞かれたとき、「うん、辞める~」と即答したのはきっとこの本を読んでいたからです。
ヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』(片山亜紀訳、平凡社ライブラリー、2015年)。
「フェミニズム批評の古典」とよく紹介されるこの本は、ケンブリッジ大学の女子カレッジ学生向けに行われた「女性と小説」というテーマの講演が土台になっているそうです。初版は1929年。架空の主人公の一人語りの形式をとりながら、「女性