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就労移行支援体験感想

4月から楽しみにしてた就労移行支援の体験に(6月に)ようやっと行ってきたので共有してみようかと。


なにそれ?って方向け用「就労移行支援」についてのお話

(感想だけ見たい方は目次から飛んでください。)
「就労移行支援」で調べるとわんさか難しい文字が出てくると思うのでちょっとかいつまんで説明すると「自分に合った生活習慣を見つけよう」+「人とのコミュニケーションに慣れよう」+「仕事に慣れよう」+「ハロワ」です。
就労移行支援を考えている人がこれを読んでいることを想定して書きますが
まずは「うつ」をはじめとする気分障害、「ADHD,ASD」をはじめとする発達障害の方ってどうしても病状や特性で睡眠時間や食生活、活動限界時間が「社会が思う普通」とずれてくるんですよね。
それを理想の形に戻したり、人と関わる中で思い出したり、いわゆる「鬱抜け」をしたりするのが「自分に合った生活習慣を見つけよう」

そして、通所型の就労移行支援はもちろんのこと、オンラインで学べる就労移行支援でも「最低限のコミュニケーション」が求められます。
おはようございます」「お疲れさまでした」「ありがとうございます
まずはこの三つが言えたら大丈夫です。そういうのがもっと厳しいというか
これも言えるようになりましょうね。ってなるのは通所後しばらくしてからです。これは同じく通所してる「メンバーさん」だったり「職員さん」に対して、何を言おうかな、何を相談すればいいかな、と迷ったり失敗したり受け入れてもらいながら学べばいいと思います。少なくとも「職員さん」には積極的にどういう形でもいいから言ってみるのが大事です。

次の「仕事に慣れよう」なんですが、これは就労移行支援の事業所ごとに異なってきます。集中して席に座ったり、気分が上がらない時にどう体力と相談して一日過ごすかとか、実際にプログラムとして事務作業の一部をやってみたり、PCスキルを磨いたり、様々です。でも根底にあるのは「仕事に慣れてみよう」だと思います。午前中二時間ぶっ続けで作業をするって意外と体力使うし、今「6時間自室以外で作業できますか?」と言われて「はい」の人「頑張れば行けます」の人「ちょっと疲れる」「無理」の人さまざまいると思うのでそこになれる意味での通所です。

「ハロワ」って話なんですが、これが最大のメリットだと思います。就労移行支援ってハロワの障害者雇用めっちゃ持ってるんですよ。
あと、その事業所限定で面接できるとか、求人来るとか全然あります。


ぼくは上記のことを狙って就労移行支援に通所希望を出しました。
あとはやりたいこと(Webデザイン/動画編集)を学ぶスクール代
(くそ高い)が浮く。そんな感じです。

早速行ってきたぞ就労移行支援体験

序章:「おはようございます!」


挨拶だけはしっかりするみたいな風潮があるっぽいのでとりあえず玄関に入って目の前の(多分)メンバーさんにでけぇ声(当社比)で「おはようございます!」とあいさつしてみた。うむ気持ちがよい。すると
「おはようございます!!!」と二倍くらいの声で返事が来た。朝からすごく元気。明るい。そして体がでかくてビビった。あわばばば。

一章:別に紙デザインやりたいとは言ってないです


そのままぬるっと体験が始まった。施設の責任者みたいな人に「今日体験のKさんです」くらいの紹介はあったけど。それくらいがマジで助かる。こっちはだいぶ緊張しているので挨拶というより無言お辞儀だった。すいません。
そうしていたら見学の時に微妙に会ったような会わなかったようなお姉さんが話しかけてきて「あれ、見学の時から髪切った?」と聞かれた。
え、なんで覚えてんの。記憶力すご。
「今日何やるのー?」と聞かれ「なにを、やるんでしょうね…。」としか返せない。今みんな掃除してるから聞けねえ~。
そうしたら責任者さんに「じゃあこれやってみるか」と渡されたもの。
無印良品のカタログ。カタログ…?
「イラレで一回これ再現してみよう。線の引き方、文字の入れ方、移動の仕方がわかれば作れるよ。」
そんなことはない。そんなことは ない。
そしてちょっと待ってくださいお代官様、あっし、イラレ触ったことありやせん!!
「いったん教えてみるから、午前中やってみて、楽しかったら紙媒体デザにも手だしてみよ。」
俺ここにWebデザイン勉強したくて来たんですけど!!??!?!?
でもとりあえずやってみるか。と思ってカチカチポチポチ。
おっとおもしれぇじゃねえですか。カチカチポチポチ。これはどうするんだ。カチカチポチポチ。
「昼休憩でーす。」
えッうそでしょ!!???!?
紙媒体デザインやってたら時間溶けたが!!?!?
まぁいいや、楽しかったし。

二章:箸が進まない、のどを通らない昼食。


12:00~休憩が入る。体験の人もいいよってことでお弁当もらった。ありがとうございます。ひぇ~うまそう。
だがここで事件が起きる。箸が進まない。のどに張り付く白米。
緊張からのどを通らないのである。嘘だっ!!
15分粘って食べられたのは1/10くらい。まずい、間に合わねえ、でも入らねえ。思い出した。俺は会食恐怖症。みんなのいる場所だから、みんなの視線と声が無理なんじゃねえかな。とひらめいて職員さんに助けを求めようとした。が、声が出ない。
緊張しすぎてもうなんもできないと思った。いや一つだけある。頼むぞ文明の機器。ということでスマホのメモ帳にぽちぽち。
「どうしたのー?」とご飯をもぐもぐしている職員さんに見せる。
『緊張しすぎてごはんが喉を通らないです。』
すると「あら、大丈夫?」という言葉とともにこんな文言が投げられる
「あっちの個室使う?」
……個室使っていい、マ?体験に来ただけなのに?
ありがとうございます、とお礼を言ってちまちま食べてたら「ゆっくり食べてねー」とニコッと笑いつつ向かいに座られる。え、どしたん。

三章:話変わってきたな


「午前中どうだった?イラレで頑張ってたねぇ…。」
「あ、え、でも初めて触ったし、完成できなくて…」
こんなポンコツが来たと思われてるやろなという被害妄想で死にそうになってたということを話す。
「えーそんなことないよ、あたしイラレ使えないもん。」
そっか、ここ福祉の人(メンタルケア)と技術の人分けてるんだった。
「人に見られてる気がして作業の気が散ってしまうんです…。普段なにかするときは適当なBGM流してるから…。」
「そうだったのね。確かにあの席はちょっと怖く感じちゃうかもね。あ、この後私別の場所にある施設行くけど一緒に行く?多分ここより人少ないよ。あと、今日動画編集の人そっちにいるんじゃなかったっけな。」
「行きます。(即答。)」
13:00までに食べないといけない昼食をもすもす食べる。急げ急げ。
結局おかずをちょっと残してしまったけど、米は完食。ごちそうさまでした。
じゃあ、午後の作業行ってきます!!👋

四章:そんなことまでできるんですか


注:このあと別に動画編集を学んでいないのでその感想が欲しい方はまた別日の記事をお待ちください

別の作業所は歩いて5分もないくらい。今体験したところよりも広くて人が少ないよー。と言われた。
あ、そうなんですね。と言いながら心の中でガッツポーズ。静かな所の方が好きな自分には向いているかも!
扉をあけると、あらま本当に広いところ。そしてさっきのところより人が少ない。
「こんにちは~。」
と職員さんの間で交わされる挨拶を聞きながらそっと頭を下げる。こんにちは。すると、
「あら?」
職員さんの群れにまぎれて知らない人がいることに気づいた方がこちらを見る。すいません体験というか見に来ただけであばばば
「今日〇〇(事業所名)を体験に来てたKさんです、こっちも見たほうがいいかなって思って。」
挙動不審な本人の代わりに全て説明してくださいました。本当にありがたい。お相手は代表だったようで、
「ああ、そうなんだー!じゃあ座って座って!」
と席を用意してくれた。次は壁際じゃなくて真ん中の席。なんだか輪の中に入れたかのような錯覚を覚える。やったぜ。
そして思ったこと。あれ、真ん中にいる人たちみんなiPad持ってね?
「〇〇さん、今日は絵描いてるんだー。」
「はい。」
えっ、すごいここ絵描けるんだ!!!!
「ここでは基本メンバーさん(利用者さん)がやりたいことを仕事にできるようにいろいろ挑戦してるの」
ほえー!!

五章:外部の人とも笑いあえる場所

「イラスト講座始めます―?」
「そうしよっか。」
そんな言葉が聞こえてきた午後二時。なんじゃなんじゃときょろきょろしていると、興味を持っていると思われたのか。
「一緒に行く?聞いてみる?なんか今日動画編集の人まだ来てないし。」
とのこと。ふむ。イラストか。なにを聞けるんだろう。
「外部の人からねー、いろいろ聞けるんだよ。」
そういって横の人を紹介してくれた。

待って貴方外部の人だったの!?さっきまで普通にスタッフさんと話してたよね!?!?

なんかふわっとした場所だなと思った。壁がないような、コミュニケーションが強制されるわけでもないような場所。でもみんなそれぞれ自分の形で対話をしようと試みている。そんな場所。

イラスト講座の内容を要約すると「好きで始めたことだった、発信し続けて形になった」「思っていないところに実現の種がある」ということだった。
ラジオの感想を絵にしたらバズったらしい。その人の話を聞いて赤べこになるくらいうなずいた。
きっとあなたはそのラジオの、その場面に「ときめいた」んだろうね。と思いながら。

その後どうやら動画編集の人は来ないということが分かったらしく。
なにしててもいい、とにかく場に慣れてみようという話があって。
絵を描いているメンバーさんの前に座って一人、ボールペンで絵を描いていた。ボールペン一発描きなんて久しぶりよ。

そんなこんなで6時間。楽しくもあり、緊張もあり、やりたかったこともあり、また来たくて。

「ほかの事業所も見てみないとですが、ここがいいです。」
そういって代表さんに見学の礼を伝えた。

お疲れさまでした、と帰っていく人々を見て思う。
いまここにいる人たちと同じ空間で勉強できるかな。

多分きっと、できる。やろう。

そう決心して、最寄り駅まで走って帰った。

ーーーーーーーここからは追記ーーーーーーーーー

なんで投稿が遅れたんですかという話。無事メンバーになりました。
9時に電車に乗って、10時に朝礼、16時に終業、17時ピッタリに家に帰る。そんな生活を一か月やってました。
毎日が充実してて、大変で、覚えることも慣れなきゃいけない事も多くて、家に帰ったらパタッと寝ちゃうような、そんな6月と、今日までを過ごしてきました。毎日なにかを頑張る自分に、少しだけ自信が持てました。
そんな就労移行支援事業所の体験話。

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