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エジンバラの小さなカフェから #2

月曜日の朝

冷え切ったお店にストーブをつけて ようやく温まってきた頃に

この人たちがやってくる。

今日も時間通り。

道路の向こう側にあるスタジオから

白い息を弾ませながら ゾロゾロと こちらに向かって歩いてくるのが見える。

入り口 ドアから ぎゅうぎゅうと押し寄せ入ってくるヨギやヨギーニたち。

今日は7人だけど、ある日は10人で来たこともあった。

ヒッピーのような頭をした先生を筆頭にして

小さなスペースにやっとの思いで自分たちの席を作って
一人ずつコーヒーや紅茶を注文していく。

"Do you remember my regular?"

"Lemon ginger tea for me. ...Katie? What was that you wanted!?"

小さなお店が5分もしないうちにごった返すこの月曜の朝は
まるで戦場と化した週末のパブのよう。

そこに、外から お年寄りやOffice Ladyが入ってくると
全員分の「いつもの」を覚えているわたしの頭から煙が上る。

Take away (テイクアウト) のお客さんもいなくなって

ホッと一息つく頃になると、だんだんと意識が戻って来て
このグループが繰り広げる会話が耳に入ってくる。

温かいジンジャーティやディカフェのソイラテのカップを手にしながら

今日のポーズのことから始まって

人間の思考のこと、ちょっとしたスピリチュアルなこと

Lifeのこと・・・

話が進むうちに 彼らが紡ぎ出す空気はだんだんと温かくなって、
今週も気づいたら またそこに引き込まれている。

このあと自分の仕事に出かけていく人たちが

ちょっと集まっておしゃべりをしながら 目を輝かせたり笑ったりする月曜の朝はわたしが大好きな時間。

やっぱり、朝の時間は誰にとっても特別で魔法の時間だと思う。

そんな魔法の時間に、小さな夢を持った仲間と交わす話達は

まるで一つ一つが キラキラと光る宝石のように感じる。

 ::: * :::

「どうしてヨガの先生になったの?」

「インドでの生活ってどんな感じ?」

「私もいつかそこに行きたいの。」

南アフリカからインドに渡り、現地のコミュニティでヨガを学んだという

Benjiが、そんな仲間から向けられた質問や 好奇心の眼差しに答えながら

この街でヨガを教えるまでのストーリーをサラサラと話し始める。

私もいつのまにか、エプロンをつけたまま 彼らと同じソファに座り、
その話に夢中になっていた。

「君も今度 朝のレッスンにおいでよ。
 きっと楽しいから。」

「いいの?もちろん!」

偶然にも次の月曜はカフェの仕事もお休みだった。

1週間後、私は あのYogiたちに混ざってBenjiの朝のヨガレッスンを受けた。
壁いっぱいに描かれたグラフィックの前で、みんなのポーズを真似しながら、時には転んだり、手を足に近づけるのを手伝ったりしてもらったりしているうちに、あっとゆう間にレッスンは終わっていった。

レッスンの後はみんなで道の向こう側にあるカフェに向かった。

お店の小さなドアを開け、ゾロゾロと中に入って、2つのテーブルをたくさんの椅子で囲み、温かい紅茶のカップを手にしながら

ポーズのこと、心のこと、Life、インドのこと・・・

話を巡らせながら、気がつけばまだぼんやりと暗かった空が明るくなっていた。






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