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令和5年10月9日(月)の あたりさわりない薬剤師日記


昔はいなかった患者さん、いや、存在はしていたが
いないことになっていた。
ズバリ、注意欠陥、多動障害の人、もしくは学習障害の人。全部ADHDとひとくくりにできない。今やその範囲が広く細分化されている。

週刊誌などのメディアで認知が高まり、もしやと思って受診する。成人してからはじめて検査してわかりましたという人もいる。先日来られた人も50代にしてやっとわかったと言っていた。

ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)、コンサータ(メチルフェニデート)関連の薬が出ることが多い。mg数の多寡、錠剤、カプセル、シロップなど剤型も多いのでそれは医師の判断なので割愛するが当然ながら効く人と効かない人がいる。心療内科薬あるあるだが個人差が大きい。副作用があって断念した人もいる。

効果がありますと断言する人は、まわりの状況がすっきりとわかるようになったという。失礼だが今までわからなかったのかと聞いたら、自分のことで精いっぱいだったからと言った。その人は満足されていて、これからも飲み続けるという。

ADHDなどはなかなか周囲に理解されにくいが、数十年前のことを思えば周知はできていると思う。

下記はADHDを公言している漫画家の沖田×華氏 (おきたばっかと読みます)の漫画の1ページ。ストラテラの効能を服薬している沖田氏から見た部分。己の心を家にたとえ、編集者を招き入れる。しかし過活動が止められない。服用後のストラテラを雪に例え、これで冷静になる……感情を伝えるのがうまい作家さんなので、なるほどと感心した。


作画・沖田×華(おきたばっか)氏


副作用も当然ある。この場合は沖田氏も固まっちゃう……こういった当事者からの発信はとても貴重で、一般常識として広まってほしいと思う。


ストラテラは有名だが、コンサータは昭和から現役の化石薬剤師なら「リタリン」というほうが通じるかもしれない。乱用が頻発して現在は登録医師でないと処方できない。昔は今よりも入手が容易だったようで作家の筒井康隆氏のエッセイでも堂々と登場する。アイデアがでないときにかみ砕いて飲んだため胃を悪くしたとかね……多分それで薬をやめられたと思う。

どんな薬も表裏がある。医師はその積み重ねのデータを把握しているので医師の診断に従って決められた量を飲むべきです。乱用はもってのほかです。くれぐれも気をつけてほしいと思う。


ありがとうございます。