令和5年１０月２１日（土）の　あたりさわりない薬剤師日記

※令和５年　クリエイターフェスに参加※　１０月１日から３１日まで毎日薬剤師日記を書く。

　つい先日にあったことを書いてみます。またまたジェネリック話です。

　Bさんは施設利用者だが、医師が往診して処方箋が薬局に回されてくる。
薬ができたらいつもケアマネージャーのCさんが代理で取りに来られる。この人はとてもまじめでしかもBさんに対して愛情込めて接している様子がわかる……。わたしがBさん本人に会わなくても様子を丁寧に教えてくれる。

　ある時、例によってDという薬がないのでDのジェネリックに変更させてもらった。Eとします。３日ほどたってからCさんがEから元のDに変えてくれないと困ると言ってきた。ジェネリックだと命にかかわりますとまでいう。

　いや、ないものはない……。しかし命にかかわるとまで言われたら……代替になる薬品にしてもらうべきか……Cさんは、医師にも電話して往診させたらしくその医師から直に薬局宛に「なんとかしてやってくれ」　と連絡がきた。由々しき事態だ。

　DのジェネリックのEに変えたら目に見えて、体調が悪くなった。何度も転倒しかけて目が離せない状況になっているという。先発のDだったらそんなことなかったのに、これはあきらかにジェネリックのせいだという。わたしも他の薬の処方変更はなかったので断定できると思った。Dのジェネリックは昔からあるが、こういう報告が結構あって処方医によっては「ジェネリック不可」　指定することもあるからだ。

　管理薬剤師があちこちの卸に電話してなんとか手配をした。近隣の薬局にも在庫があれば譲ってくれと言ったので、かき集めたといってもいいかもしれない。Cさんは出来上がった薬をすぐに受け取りに来た。Bさんのことを我がごとのように心配していた。

　果たして数日後、電話があり、Bさんの様子がもとに戻りました。といってきた。こういう報告は大変ありがたい。Bさんは元来自力歩行が難しく補助器具を使う人ではある。危なげなくそれでもって歩行できているという意味。表情を出せるようになっただけでもよかったという。個人差があるとはいえ、この先発品とジェネリックの明らかな効果の差よ……ジェネリックはダメと頭から決めつけるのはよくないが、Bさんのように先発でないと困る人もいるにはいる。

　同じ成分ですと唄っていてもジェネリック薬品は主成分とその量が同じというだけ。その他の添加薬の配合がまったく違っていたりする。しかも先発に遠慮してまったく同じ配合にはしない。溶出時間なども先発に劣るようにわざと設計する話もある。おそらくDとEはそれだと思う。今後も綱渡りだが大丈夫かな。医師の様子では処方変更はなさそうだし、来月分……再来月分の確保もしておかねばなるまい。

第五話・ジェネリック薬をすすめて怒られた話　（類似エッセイ）

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