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貯まる十周年

 星新一がショートショートの生みの親。これを更に啓蒙し牽引している作家が田丸雅智。彼は今年で作家生活10周年とな、いや~おめでとさん。
 さて、この俺も作家生活10週年である。作家になって3か月弱。田丸氏に続いて10執念、いや10周年を目指す。
 だが、ぼくの作家人生を伴走してくれと恋人にプロポーズすると拒絶された。怒って暴れたら警察を呼ばれた。
「お前は新人文学賞をもらったが盗作だったので剥奪された。賞金100万円も返却せずそのままだ。作家を名乗るな。ストーカー規制法で逮捕する」
「10週年作家に対して不敬だ」
「ほぉ良心のかけらもないようだ。ならばこうだ」
 警察は俺を10年の作家刑にした。これは400字のショートショートを書くと1時間ずつ刑期が短縮される。24作で1日。240作で10日。だが不評だと1作ごとに1時間刑期が伸びる。案の定、書くごとに刑期が伸びる。ふてくされて書かないともっと刑期が伸びる。
 刑務所の窓の外から星新一と田丸雅智の笑い声が毎日聞こえてくるような気がする。

ありがとうございます。