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62.企画参加「一人っ子として生きる」


最近、ご縁があり初めてnoteのサークルに参加をしました。サークルのオーナーをされているリコさんによる企画、『素敵な一人っ子ストーリー募集』を拝見し、一人っ子である私自身から感じることを書いてみました。一人っ子として生れ育ち、大人になるまでの過程で感じていた複雑な気持ち、「一人っ子でよかった」と思えた今について。素敵な企画をありがとうございます。

・三代目「一人っ子」として生まれました

母は36歳で私を出産した。1992年、日本人女子人口千対を参考に出生数を見ると、25〜29歳が130.8%に対し、35〜39歳は22.8%と、年齢が上がるにつれて出生数は下がっている。当時、母が私を出産した年齢や、幼少期から女手一つで私を育ててくれたことを考えても、一人っ子であることに違和感はない。そんな母や、更には祖母も一人っ子として生まれ育ってきたという、私は三代目の一人っ子ということになった。
参考:政府統計の総合窓口 e-Stat

・「一人っ子」を意識し始めたきっかけ

幼稚園や小学校に通う中で、周囲の子たちに「きょうだい」という存在がいることを認識し始めた。逆にきょうだい、のいる子たちは「一人っ子」である私のことが珍しいようで、「何できょうだいいないの?」、「一人で寂しくない?」、「おもちゃ独り占めだね」なんて、無垢故の言葉を掛けられていた記憶がある。周囲の言葉により「私は一人っ子なんだ」と気付かされると、途端に一人っ子は可哀想なことなんだ、と幼い私は感じ始めた。友達に問われたように、「何できょうだいいないの?」と同じ質問をして、母を困らせたこともある。ないものねだりで、兄や姉がいてくれればいいのに、と何度も思っていた。だけど幸い、私は一人遊びが好きだったし、普段関わる人たちが母の友人など大人が多かったので、知らないことを教えてもらうのが楽しかったり、「きょうだい」がいない代わりに、色々な人に会える環境を楽しんでいたのだと思う。

・イメージを覆す!実は長男長女気質?

なぜか「一人っ子」に対する世のイメージとして、我儘、自己中、マイペースなど、自由奔放なものが挙げられることが多いような気がする。だけど私は、このイメージに一致した一人っ子に出会ったことがない。ある一人っ子との出会いは10年前、バイト先でのこと。私と同年齢の彼女はとても優しく、スタッフ間の空気を常に読んでおり、周囲へのさりげない気配りもとても素晴らしいもの。更には明るくて朗らかで、一緒にいて心地よい人柄が印象的だった。そして私自身、初対面の人に出会うと、必ず「長女だよね」、「弟か妹がいそう」と言われるように、どうやら一人っ子のイメージがないと言われることが大半なのだ。(その度に、世のイメージを少しだけ覆しているような気がして、ほくそ笑んでしまう)

・「一人っ子」とは幸せだと感じること

幼少期に憧れ羨んでいた「きょうだい」という存在。大人になった今、全く何も思わなくなった。「きょうだい」のいる環境も賑やかで楽しかったに違いないが、「一人っ子」として親の愛情をいっぱい受け、今までから一人時間が多かった故にマイペースではあるものの、のびのび育ってきたんだなぁ、と、有り難い気持ちを抱くことが増えた。ある時、三姉妹の末っ子である友人が、「姉二人は賢かったけど、私は勉強に興味が湧かなかった。比較されるのが嫌で姉たちと違う高校を選んだの」と、話していた。比較、か。憧れていた「きょうだい」の間にも楽しいだけではなく、葛藤やモヤモヤした気持ちがあったのだと、ハッとさせられた。それぞれの感じ方は、それぞれにしかわからない。聞いて初めて知る気持ちを大事にしないといけないと感じたし、昔から「一人っ子は可哀想」という呪いをかけていたのは自分自身だったのだと気付いた時、凝り固まった思考から解放された気がした。今私は、一人っ子として生まれ育てられてよかった、と心から感じている。

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おわり

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