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愛すべき技術者のみなさまに捧ぐ

工学部出身です。

今もでしょうが、私が大学に在籍していた頃は、工学部を選ぶ女性は1割にも満たず。クラスのほとんどが男性でした。

小さいころから、国語・社会よりは、算数・理科のほうが好きでした。
国語のテストは特に悲惨でした。
答えを見ても、納得がいかずに苦しんだ記憶があります。
一方算数にはあいまいなところがなく、1か0で明確に答えを導けるとこが好きでした。

高校時代、文系か理系かの選択を迫られたとき、迷わず理系を選びました。
単純に「好き」な勉強をしたほうが楽に違いない、と思ったからです。
理系と言っても女子高だったこともあってか、文系、理系の差をあまり感じずに卒業しました。

そしていよいよ、大学時代、社会人を経て、
「理系のバケモノ(愛をこめて)」
たちを目にしていくことになります。

まず「好き」の次元が違う。
自宅に「はんだごて」があるのは当たり前。
「オシロスコープ」所有者もちらほら。
(オシロスコープとは、人間の目に見えない電気の流れを解析するための機械です)。

あれだけ会社で仕事をして、自宅でも何かモノを作って喜んでいる先輩方を見て、自分には到底真似できないところにいる、と思ったものでした。

そんな環境で過ごした15年ほど。
愛すべき理系たちと仕事をしなくなって5年ほど。

先日、NHKで放送された「魔改造の夜」。
たまたま番組をリアルタイムで見たのですが、興奮が止まりませんでした。
胸が締め付けられ、嫉妬と羨望の気持ちが入り混じっている自分に気づきました。

世の中に製品を出すために、がむしゃらに頑張っていた日々。
不具合の原因を探るためにホワイトボードに書き出し議論した日々。
1㎜にも満たない距離にこだわり改善を繰り返した日々。

そんな日々の記憶が蘇り、あんなに辛かったときもあったはずなのに、「楽しかったなー」と。

私自身はへなちょこ技術者でしたが、自分には到達できない領域にいる技術者たち、理系のバケモノたちを愛してやまないということを再認識したのです。

日本にはクレイジーでラブリーな技術者がまだまだいます。

普通の話が通じない。
何を言っているかが分からない。
日常会話をしていたと思ったらいきなり専門用語を話だす。

そんな愛すべきコミュニケーションには難があるかも しれないかも しれない
技術者たちの情熱を
少しでも世の中に届けられるように。

異動先ではそんな風に仕事をしていきたいと思います。


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