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F. カルッリ「練習曲」(練習59) 〜 「青本」和声分析22


F. Carulli: Esercizio 概要

イ長調。A - B - A'の3部形式。リガード(スラー)の練習曲。
最後のA'部分はAの変奏となっている。また、後ろに行くほど音が細かくなっていくという変化がつけられている。

和声分析

Aパート

「T - SD - T」、「T - D - T」、「T - SD - T」、「T - SD - D - T」と、最後こそその変形といった感じだが、基本パターンが全て登場している。
7小節目のバスの7度の跳躍は「和声学」では非推奨のはずだが、ギターの場合は4弦解放からの6弦解放なので演奏のしやすさや鳴りの良さから使いやすいから許容されるといったところだろうか。

Bパート

頭のEから始まる音階は単音なので和声記号を振るべきかどうか、また振るにしてもIでもVでも成り立つのでどうするか悩んだが、冒頭のアウフタクトとか以降の次のフレーズに繋がる部分とか、バスとの音程が8度ないし15度となっているので、和声をつけるならこの部分もそれに従うべきだろうということでVを振った。
上段最後の小節からは、冒頭でも触れた通りAパートの変奏となっている。使われている和音はAパート後半と同じものだが、トニックを短くし、ドミナントの部分を長くしたことによって緊張感が高まり、終止感が強くなっている。

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