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A. カーノ「練習曲」(練習58) 〜 「青本」和声分析21



A.Cano : Estudio 概要

ト長調、2部形式。途中ホ短調への転調あり。
リガード(スラー)の練習曲。

和声分析

Aパート

各小節2拍目を見ていくと、T - SD - D - T、そしてT - SD - Dという進行となっている。その間のフレーズは別の和音だと考えることができる部分もあるが、シンプルに考えた。

Bパート

ホ短調に転調。そして最後4小節でまたト長調に戻る。
12小節目のIIからは、書かれている音がホ短調の中でなんとなく辻褄が合うではないかという感じで記号を振ってみたが、少々無理があるので12小節目3拍目は記号を振らず刺繍音として処理したほうが良いかもしれない。
あとはこの譜面上ではなんらかの理由で省略された音があると仮定して、その音を足した場合にどうなるかを考えたが、11小節のバスを♩♫というリズムでE - G - Aとして3拍目裏で IVとなるようにして、13小節目2拍目までバスをHとすれば、色々収まりが良くなる。

元のト長調に戻る部分ではここも割と無理のある記号を振っているが、13小節目3拍目はEが省略されているということにすれば、IV - V - Iという進行になり辻褄が合う。
ただ辻褄は合うけれど、唐突感は拭えないように感じる。

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