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N. コスト「アンダンテ」(練習55) 〜 「青本」和声分析19


N. Coste : Andante 概要

イ短調、A - Bの二部形式。
AとBそれぞれの最後の小節以外は2声で書かれている。
Aではバスは静的だが、Bに入ると動的な対位法的な書法となっている。
基本的に2つの音しか鳴っていないため和声記号を当てはめるのが適切なのかと思わないでもないが、和声的に見ていくことにする。

和声分析

Aパート

AパートはIとVのみ。7小節目はIの第2転回形的ではあるが、経過的なものと考え6~8小節目はVとした。
また5~8小節目の頭の音を取っていくとC - H - A - Gisと順次進行となっているが、7小節目1拍裏からも同じ音で、入れ子状になっているとも捉えられる。

Bパート

9小節目のフレーズはAパート最初のフレーズの反行形を意識したものとなっている。
また冒頭に後半は動的と書いたが、和声も細かく変わるようになっている。
13小節目はIと振った部分以降は経過音と捉えてしまっても良いと考えるが、和声記号を振るならば上記のような感じだろうか。2拍目裏はEしか鳴ってないので私が他に音を足すならこうするという意味で括弧書きとした。
またこの部分についてはバスがAからオクターブ下のAを通り過ぎてGisまで順次進行で下降する点にも注目するべきだろう。

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