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カルカッシ: 25の練習曲 Op. 60 第2番 和声分析


M. Carcassi: 25 Etudes Op. 60 No. 2 概要

イ短調。A - B - A'の三部形式。
右手の運指は一箇所を除き終始 p i m a m a m a となる。同じ弦の上での中指と薬指の動きの練習。
音型はシンプルだが、和声は意外と凝ったものとなっている。

和声分析

A

1~3小節はトニックとドミナントが交互に出てきているようではあるが、バスで主音がずっと鳴っているため主和音の中での変化とした。
5~6小節はバスの順次進行に合わせた和声進行で、上声は最初の和音でこそFからEと下がっているが、その後はバスに反行してしている。
6小節目後半から8小節目は終止感の強いバスの動きとなっている。
最後のV→Iの進行は導音が解決されず、バスとソプラノのが反行してE→Aと動いているようでもあるが、和音が転回したと捉えることも可能だろうか。


B

平行調のハ長調で始まるが、10~12小節の間ですぐにへ長調、ニ短調と変わっていくような和声進行となっている。また12小節目はIIという記号を振ったが実際には最初の2拍はその前の小節のニ短調の属和音を引きずって、解決が遅らされている。これにより解決感が薄れているようにも感じられる。
そしてこのIIをイ短調のIVと読み替えてイ短調に転調。
その後はまたバスとソプラノが反行して音域が広がり、15~16小節目で緊張感が非常に高まるバスの進行・和声進行で属和音に到達する。


A'

20小節目がAとは和音が変わっている。
Aではドミナントだったが、A'ではサブドミナントとなっている。またその直前の和音の影響でニ短調的でもある。その辺も特に意識しておくべきことだろう。


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