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カルカッシ: 25の練習曲 Op. 60 第3番 和声分析


M. Carcassi: 25 Etudes Op. 60 No. 3 概要

三連符の分散和音(+高声の旋律?)の練習曲。
イ長調。A - B - A'の三部形式だがAの繰り返しの後にB&Cが繰り返される構成となっている。

和声分析

A

途中、イ長調のままだとVIの転回形が出てきてしまうので途中からホ長調の記号で書いたが、全体としてはイ長調のドミナントに向かっていると捉えて良いだろう。
前半はトニックとドミナントだけだが、後半は機能的にはサブドミナントが続々と変化する形となる。

B

ここからまたイ長調で記号を振っている。
17~20小節の間はバスでEがずっと鳴っているため、Vの中での変化とした。
そして後半はイ長調の平行調である嬰ヘ短調へと変化していく。
最後24小節目後半で急にリズムも変化し、調もイ長調へと戻るのだが、単旋律となる後半に仮に和声を付けてイ長調に戻ろうと思ったら括弧内のような形になるだろうか。

A'

イ長調に戻り、冒頭と同じものに戻ったように見せかけて、低音でずっとA音が鳴らされ、機能的にはトニックのままと変化している。
後半も、冒頭Aパート後半を踏襲しつつも、主和音で終わるために違う和声がついている。


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