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M. ジュリアーニ「アレグロ」(練習66) 〜 「青本」和声分析27


M. Giuliani: Allegro 概要

ニ長調。A - Bの二部形式。
付点のリズムとpの指の練習といったところか。

和声分析

Aパート

基本はTとDが交互に出てくる形だが、イ長調に転調する部分でSDが登場する。転調のきっかけとなるのはイ長調の導音であるGisの音。

Bパート

上段2小節目でGが出てきた部分から既にニ長調に戻ったような感じでもあるが、バスがAを鳴らし続けているのでイ長調は継続。
ただ問題になるのがニ長調への戻り方。中段最初でバスがGになっているということは既にニ長調に戻ったと見做すが良いと思うが、そうなった場合、和声学的に考えていくとその前の小節との繋がりが問題になってくる。
前の小節からドミナントが継続し、中段冒頭は色々音が省略された属9の和音の第3転回形とする解釈するのは様式的にも厳しいだろう。となると素直にSDと考えるべきだが、DからSDに進むというのも具合が悪い(ポピュラー音楽では普通にある進行だが)。
じゃあどうすれば辻褄が合うかと考えると、その前の小節でバスが休符の部分でニ長調のIになったとするしかないと考えた。実際、そのように和声を補うことも出来る。なのでこの部分は和音にはなってないが括弧書きでニ長調のIとした。
後半は調を変えたAパート後半の再現で締め括られる。


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