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短歌

季節感なし

海青し ”空の色だよ” と言う君の 白いシャツ看る 夏の一日

万緑が 盛る公園に 陽が射して 目あげる目刺す 夏の太陽

夏過ぎて 未だ蒸し暑き 仕事終わり さぁ帰ろうか 待つ君のため

愛などと 偉そうに語る 思春期を 恥じらい秋 春はまだ先

爪切りで 深く刻みし 指先の 赤い傷跡 もう八月か

蟋蟀や 穴に住まいて 夜を過ごす 吾のねぐらに 見る秋のそら

色気づく 夏の柔肌 小麦色 木陰に憩う 吾と君かな

冬の夜に 手をつなぎ合う 吾と君 ベンチに座りて 珈琲を飲み

スクリーンの 様だと 見上げる 曇り空 まだ夏かなと 思うてみるが

ほうほけきょ ウグイスの声 我が里の のんびりしゆる 夏休みかな

櫻花 見上げる乙女 鳴るチャイム お茶目な仔らは 夢の中かな

飴細工 もったいないと 手に握り 気づけば溶けた 夏の思ひ出

パッヘルベル カノン響きて 昼休み 伸びをしながら 「まだ五月」かと

白蝋の 翼で飛びし イカロスと 夏を遊びし 我が子見比べ

 

 


   

 

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