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1.5(イッテンゴ)
2022年8月7日 19:35
「糞野郎」と罵られるのは慣れている。 実際の所その通りなので、ぐうの音も出ない。 だが、客に困ったことは、一度もない。 この黒紫色の希少な宝石が、どこで採れるかを知っているのは、俺だけだからだ。 護衛を担ってくれる幼馴染にも、詳細は教えていない。 俺は秘密のその岩山で、竜糞の小山を探す。 ある鉱石を食べるその竜は、消化できなかった宝石を糞の中に残すのだ。 背丈を越える小山を掘り返し