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希望が叶うオーダーの仕方

お花に限った事ではないですが
オーダーって難しいですよね。
買い慣れてないので
なんて伝えてよいのやら。

自分の希望の伝える為に
ちょっとした工夫がありますので
今日はそれについて書いてみます。

花束を頼む時

例えば花束のオーダーの際には
どんな事を伝えるとよいのか?
Webで検索してみると
以下のような項目をしっかり伝えましょう。
と書いています。

1. 用途 母の日、誕生日、開店祝い、など
2. 色合い ピンク系、黄色系、など
3. イメージ  華やか、可愛い、シックなど
4. ボリューム  大きく、コンパクトなど
5. 予算
6. 相手の情報  好み、年齢、間柄、など
7. いつ渡す いつ相手に花束を贈るのか

Webより抜粋

確かにどれも大事な情報です。

伝えにくい項目

用途・相手の情報・いつ渡す、については
具体的に答える事が出来ますので
特に不安はないでしょう。
予算やボリュームも比較的伝え易いです。

難しいのは残った2つの項目
色合いとイメージです。

イメージをしっかり伝えましょう。
と言われても、どう伝えてよいのか?
シンプルにして最難関です。

色合いについても
好きな色合いはあるけれど
それ以外でも素敵な色がるなら聴きたいし
どんなお花が似合うのかわからない。

聞かれても答え方がわからない

フローリストとしては
アナタの希望通りの花を作りたい。
だから一番共有しにくい
色やイメージについて沢山質問してきます。

でもイメージを言語化出来る人は少ないので
頑張って伝えようと色々試みるけれど
なかなか上手く出来るものではありません。

花束はオーダーメイド品

花束は基本的にオーダーメイドです
自分の為に唯一のアイテムを
ライブで作ってくれる。

これは本来最高のサービスです。
しかしオーダーの難易度が高いため
オーダーメイドが本来持っている
付加価値を感じ難いのが現状です。

オーダーメイド品を作ると言うのは
最善の一点を探す作業です。
無数にある選択肢の中から
唯一無二の一点探し出し
イメージを具現化する事を目指します。

知りたい番地と伝えたい風景

作り手は
よりその点に近いものは何ですか?
と質問を重ねます。

例えるなら「ゴールはどこですか?」と。
これは作り手がすべての点=要望を
把握してるから出来る聞き方です。

熟練のタクシードライバーの様に
住所を言えばナビに頼らず
最善の経路で目的地を目指します。
なので番地を聞きたい。
これがフローリスト目線です。

一方お客様にとってオーダーすることは
目的地を探す作業です。
こういう風になりたいけれど
それはどこにあるのかわからない。
なので、花のプロに相談しに来ました。
「ゴールはどこですか?」と。

番地で目的地を聞きたいフローリストと
見たい風景を伝えるお客様
共に同じゴールを探していますが
お互い話の基準が違うので
なかなかたどり着けないです。

NGの共有

ではどうするのか?
フローリストもお客様も
ある事を伝える事で
より伝わるオーダーになります

それはNGを伝える事です

最高に素敵と思うゴールと共に
こうはなりたくないという
NGゾーンを提示する
これは非常に有効なオーダー方法です

先に書きましたが
理想の一点を探していく事は
無数にある点の中から唯一を探し出す作業

でも、ここは確実にちがいます。
というNGゾーンを伝えると
そのゴールの特定はぐっと近づきます

季節の花で⇒でもチューリップは嫌
かわいい感じで⇒でもピンクばっかりは嫌
大人っぽい感じで⇒でも派手なのは嫌
豪華にして⇒でもユリは嫌

NGを伝えるのは普段使いの言葉でOKです
難しく、細かく言う必要はありません
「こっちのゾーンはあり得ない」と伝えれば
NGを背に理想の方を向く事が出来るので
より理想に近づきやすくなります。

作り手としては
希望とNGを聞けると
「こういうのも好きかも」と推測が立ち
提案しやすくなりますので
提案を引き出すためにもNGは重要です。

もし希望のイメージが元々なければ
NGだけを伝えてみてください
お祝いでお任せ。でも地味なのはイヤ。
とか

NGは明確に伝えられる

キライなものは
不思議と明確に言語化出来るので
しっかり言葉にして伝えられます。
これは花を以外でも同じです。

またNGワードは一言で
広いゾーンをカバー出来ます。
番地は知らないけれど
ビルが見えない公園と言われれば
一気に絞り込めます。

近づく過程がオーダーの持つ魅力

一方で理想のゴールは唯一の一点を指し
近いだけでは満足出来ません。

ヒヤリングの時の接客の満足度は
「どれだけ近づけたか?」になります。
いきなりイメージに近いモノを言われても
意外と満足度は高くないです。

反対に、
最初全然違う所を提案したとしても
そこから希望に近づくと
「あ、わかってくれてる」と
安心感⇒期待感が生れます。

言った事≠求めてる全て

作り手は制作するうえで
必要な情報を的確に集めたがりますが
相手は素人ですから
うまく伝える事は出来ません。

とてもシンプルで当然の事ですが
意外とスルーされている事実です。

可愛い、というオーダーは
可愛いものを作って欲しいと思いがちですが
実際は(知ってる言葉で言うと)可愛い。というオーダーであり
言葉になってないだけで
理想は他の所にある事もしばしばです。

お客様は
本当のことを話してはいますが
真実を話してるとは限りません。
言葉にならない希望を叶えるためには
NGワードの併用は非常に効果的です。 

最後に

花と食はとても似ているので
最後に食に例えておしまいにします。

もし、オリジナルのカクテルを
作ってくれるとしたら?
どんなオーダーを出しますか?
逆に自分がバーテンダーだとして
オリジナルのカクテルを
作ってあげようと思ったら
どんなことを聞きたいですか?

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