だしっぱ(袋)

noteは居づらい、と前々から思っていた。っていうか最初から思ってた。第一印象で思ったことがやっぱ合ってた、っていうなんてことない話だ。何年か前の自分に教えてやりたい、お前の予感は的中してるぞ、と。今じゃあnoteにもハッシュタグがとっくに実装されてて、人気のハッシュタグが5つ、ページの上部に表示されてんだ。現時点で何が人気か教えてやろう。

#育児 #日記 #投資 #カフェ #動物

……な?

…ってなことを未来の自分に教えられるでもなく、直感的に居づらさを感じ取った自分が反射的にとった抵抗は、「プロフィールに“おちんちん”って書く」「たまにおちんちんについて書いた文章を投下する」という幼稚極まりないものだったが、これに関しても別に間違ってはいないと思う。今の自分でもそうする。

ところで、気温の変化による陰嚢a.k.a.金玉袋の状態変化について、女性は一般的にどれくらい把握しているものなんだろうか。おちんちん搭載型のお子さんがいたり、医療に従事されていたり、それなりに男性経験があったりすれば知ってるかもだけど、そうでない場合はどうなのか。

銀だこの出現によって、いわゆる「外はカリっと、中はとろっと」的なたこ焼きが一躍たこ焼きシーンのメインストリームになったように思う。讃岐うどんブームの弊害として、うどんの評価基準の「コシ」一極化とも似てる。もっと言えば、こういう一極化の要因としてはグルメ番組の定型コメントの拡散力も大きいだろう。商品に対するわかりやすいコメントが、いつのまにかそのコメントに当てはまりやすい商品への需要を生み出す。結果、日本全国で肉が口の中で溶けてなくなり、海老がぷりぷりし、いもがほくほくする。肉が溶けすぎた反動で今度は赤身肉が流行りはじめたりしてるみたいだが……何の話だったっけ?

そう、たこ焼きだ。銀だこは銀だこで別にいいんだが、個人的にはあれは揚げたこ焼きの派生形くらいに思ってる。どっちかと言えば、くたっとした、でろんとした、夏のきんたまみたいなたこ焼きが好きだ。正確に言えば「夏の陰嚢」「夏の金玉袋」なんだけど、語呂と字面を考えると「夏のきんたま」と呼びたい。銀だこのたこ焼きは冬のきんたまである。色味も似てる。

…で、この例え、伝わんのか。冬のきんたまよりも夏のきんたまなんだよ、たこ焼きは。これが女性にどれくらい伝わるのかが知りたい。ただ、この辺がシモの話の難しいとこで、ここでふと「男にも伝わってなかったりして」という疑念が湧いてくる。そもそも自分の陰嚢でしか成立しない話なのでは…「え、お前のきんたま、そんなんなの?」…怖いから置いておこう。

冬の入浴の密かな楽しみのひとつ、湯船で温められた冬のきんたまがゆっくりと夏のきんたまへ。銀だこに席巻されたたこ焼きシーンが原点に回帰し、ついにはたこ焼きを通り越して明石焼きになり、しかし風呂上がりからまた銀だこ的カリとろへと循環する。諸行無常の響きあり、盛者必衰の理をあらわす。きんたまが。っていうか、「カリとろ」ってのもなんだかただ事じゃない響きだな。

こういうのが伝わらないと困るので、なんのこっちゃわからない場合は身近な男性に聞いてみてほしい。で、どうやら普通はそんなことにはならないっぽかったら、おれのことそっとしといてほしい。

…さて。こんな調子で、いつの日か「#陰嚢」「#きんたま」がnoteの人気ハッシュタグになる日はくるのか。めぐる季節に、沸いた風呂に、きんたまが何度移ろおうとも、たぶんこない。

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