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映画館にひとりで行く




去年の夏くらいから、ひとり映画にハマっている。


ハマったきっかけとして、やっぱりコロナの影響が大きいと思う。


コロナ禍以前は、ひとりで行動するのが苦手だった。
ひとりでわざわざ出かけるくらいなら、家でダラダラしたいと思っていた。


でも、人と会うのが憚られるようになって家に引きこもっていると、何かが足りない気がした。

家にひとりでいるだけじゃ、なにも感受できていない気がした。

外に出たいと思っても、ひとりでカフェに行く勇気はなかったし、ご時世的に友達を遊びに誘う勇気もなかった。

そんな中で、映画館ならみんな真正面向いて映画見てるだけだからひとりで行くにはちょうどいいじゃーん、と、ひらめいてしまった。

それから、気になっていた『サマーフィルムにのって』のチケットを取って映画館に行くことにした。

その日は気分が上がっていて、『うみべの女の子』と2本続けて観ることにした。



メロンソーダのLサイズを買って、準備万端で席についた。

ご時世柄、周りに人はチラホラしかいなかったし、周りの人もみんなおひとり様だった。

周りを見渡して、自分別に浮いてなさそうじゃん、と安心した。


1本目を見終わった。

余韻に浸る間もなく、2本目が上映されるスクリーンへ移動した。

Lサイズのメロンソーダは、まだ半分以上残っていた。

2本目も、両隣に人は座らなかった。

2回目のエンドロールもしっかりと見届けた。

メロンソーダはまだ少し残っていたので、席を立つ前に急いで飲み干した。


映画館を出てすぐに、『サマーフィルムにのって』の主題歌であるCody・Lee(李)の「異星人と熱帯夜」と、『うみべの女の子』の主題歌であるはっぴいえんどの「風をあつめて」をダウンロードした。

リーガルリリーがカバーした「風をあつめて」もダウンロードして、その3曲をひとつのプレイリストに入れてくり返し聴いた。

くり返し聴きながら帰った。2本分の余韻が一気にきた。

主題歌を聴いて映画の内容を思い出して、余韻に浸りながら帰るのが最高に幸せだった。



これがもし友達と一緒だったら、その場で感想を共有しなければいけない。そんなに大した感想は言わないけど、「よかったねー」くらいは言うと思う。

これが嫌とかではないけど、少し自分の中で感情を寝かせて、余韻に浸りきってから言語化したいと思ってしまった。



家に帰ってすぐ、今日行った映画館の有料会員メンバーになった。

年間5本以上鑑賞すればお得というものだった。

考える必要もなく、これから一年、余裕で5本以上映画を観に行くだろうと思った。

それくらい私にとってひとり映画は快適で、映画を観て、主題歌を聴いて、余韻に浸りながら帰る、という流れにワクワクした。

1000円ちょっとでこんなに幸せな気持ちになれる映画は、なんてコスパがいいんだろう!と思った。


会員登録をしてからまだ1年経っていないけど、すでに5本は余裕で超える数の映画を観た。

やったー。元取れた。




映画を観て、評論家みたいな的確なコメントが言えるわけじゃないけど、言う必要もないんじゃないかと思う。ひとり映画ならなおさら。

映画を観て、なんでもいいから何かを受け取った、というその感情が自分の中に残ればいいんじゃないかと思う。

映画館はメロンソーダ1杯で幸せになれる最高の空間だ、ということに気づけただけで、2021夏は充実していた!

それにしてもコロナ早くいなくなってほしい!

さようなら!

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