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入院の思い出:うつの日々

なんだか最近、18年前の入院を思い出す。

初めての入院は、他の精神疾患当事者と交流できた楽しい思い出があるからかもしれない。

精神科のクリニックに通うだけでは、病気で苦しんでいる人は自分以外にもたくさんいるんだなと感じるくらい。

しかし、入院するとより当事者として、ともに病気と闘っている人として、接することができ力をもらうことができた。
(ちなみに2回目の入院は、あまり仲良くなれた人ができず力をもらえることはなかった…。)

気を取り直して1回目の話

まずは、大部屋の仲間たち。食事の時に世間話をするのだが、入院のいきさつを話し合うことも多かった。
ほとんど睡眠ができずに仕事をしていたこと、食欲が半年なかったことなど、同僚や友達に話せなかったことを口にするだけで心がスッキリした。自分を見繕う必要がない環境は居心地がよかった。
同部屋の仲間意識がちょうど良い距離感で、何でも話すことができた。

また、他の人の症状をリアルに聞くことができたことも精神疾患1年目の自分には勉強になった。


隣の大部屋のA君とは、悩みの症状が共通していたこと、年齢が近いことから直ぐに仲良くなった。

昔から自分は新しい環境になると、緊張から食欲が全くなくなり、さらには「おぇっ」となる吐き気の症状がでる。その為、学生の頃はクラス替えのたびに一週間、昼食は吐き気と闘っていた。気になる女性と食事にいくことも躊躇うことがほとんどだった。緊張するとすぐ吐き気がくる会食恐怖症の苦しさを分かり合える人は周りにいなかった。

A君は、会食恐怖症だけでなく、広場恐怖症の症状があり電車にも乗れないとのことだった。自分より重い症状であったが、打ち明けてくれたのだ。
「辛いことあるある」で共感し合える仲間と出会えたことに、本当に救われた。辛いのは自分だけではないと体感ができたからだ。
当事者同士のメンタルケアを意識した初めの体験であった。

そんな出会いのA君とは、今でも1年に1度ぐらい会っている。「休職して辛いよー」ってそろそろ愚痴の連絡してみようかな。


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