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中小企業の採用は「魅力を偏らせる」ことで上手くいく

中小企業の経営者の皆様へ、優れた人材を確保し、成長を支えるために欠かせないテーマについてお伝えします。

このテーマを扱うきっかけになったのは、先日キャリアコンサルタント有資格者の集まりでのできごと。

その中で「企業の文化をどう定着させるか」ついて意見を出し合ったのですが、『文化を偏らせる』ことについて、意外なことにネガティブな意見が多かったのです。具体的に言うと、

「採用の応募母数が減りそう」
「文化への共感を持てない社員が辞めてしまう」

といった具合。

そこで今回は、採用という市場の中で、会社を「商品」として捉えたときに、どう売り出していけば良いのか?というマーケティングの視点から、『文化や価値を偏らせることの有用性』についてお伝えしようと思います。


企業の魅力は2つに分けられる

そもそも、なぜ多くの中小企業にとって採用が難しいのか?一言で答えるなら、求職者にとって「魅力」が無いからです。

しかし、ここで重要になるのは、一口に「魅力」と言っても、
●誰が見ても「同じように価値のある魅力」
●求職者ごとで「相対的に価値が変わる魅力」
が存在することです。

詳しくは後述しますが、中小企業は「相対的に価値が変わる魅力」で勝負する必要があり、この魅力を意図的に「偏らせる」ことをしないと、

結果的に大手企業と「同じように価値のある魅力」で勝負しなければならなくなります。


魅力の要素をセグメントで分解する

この「魅力」を理解し、偏らせるためには、「企業の魅力」を以下のセグメントに分解することが重要です。

  1. 待遇(給与や休日の日数)

  2. 企業の将来性(資本力や過去利益実績)

  3. 目指しているビジョン(会社が存在する目的)

  4. 文化(社員の考え方や行動の偏り)

  5. 裁量の自由度

  6. 展開可能なスキルや経験の取得

  7. その他属性(地域柄、資本形態など)


 マーケティングの視点から「価値」で分ける

中小企業が競争力を発揮するためには、会社を「商品」としてマーケティングする視点が重要です。

その際、先のセグメントを以下のようにプロダクト価値とコミュニケーション価値に分けて考えることが有効です。

●プロダクト価値(商品そのもの絶対的な価値)

  1. 待遇(給与や休日の日数)

  2. 企業の将来性(資本力や過去利益実績)

●コミュニケーション価値(コミュニケーションの中で相対的に決まる価値)

  1. 目指しているビジョン(会社が存在する目的)

  2. 文化(社員の考え方や行動の偏り)

  3. 裁量の自由度

  4. 展開可能なスキルや経験の取得

  5. その他属性(地域柄、資本形態など)


前述した「相対的に価値が変わる魅力」はコミュニケーション価値にあたり、これらをどう偏らせるかというのが重要なポイントになります。


「利便性」と「独自性」で偏らせる

同じくマーケティングの視点から、「利便性」と「独自性」を用いると比較的偏りが作りやすくなります。

●利便性:特定の利益を享受し易いという魅力(快適といった感情面も含)
●独自性:既視感の無いことで、感じる独自の魅力


具体例を挙げると、

例1)岡山の小売り会社:新卒から店長を任せる(利便性の高い「裁量の自由」)

例2)北海道のIT会社: 全社員の給与からすべてを全員で決める(独自性の高い「文化」)


“差し障りない・万人向け”のコミュニケーション価値 = 価値がない

どこで尖らせるかは別として、コミュニケーション価値は、他社との相対値で決まります。とどのつまり、全く尖っていない場合は、他社に全敗することを意味します。

また、コミュニケーション価値が無い企業は、プロダクト価値(待遇や企業規模など)で勝負せざる負えないのですが、中小企業はプロダクト価値で大手企業にまず勝てないのです。


まとめ

「採用の応募母数が減りそう」という恐怖から、多くの日本企業が自社の「価値」に偏りを持たせることに抵抗感を持っています。

しかし、こと採用をマーケティングの観点からみると、偏らずして他社に勝ち、優秀な人材を獲得していくことはできないのできないのです。

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