7歩手前のはなし
同じエリアで働く同期達に、
「本当に追い込まれる7歩前には絶対声かけてね」と言っている。
3歩前だと助けられなさそうだし、7歩くらいあればなんとかなるかもという一縷の希望があると思ってこの言葉を投げかけている。
4月から社会人2年目になった。担当エリアもちゃんとあるし、成果も求められる立場になった。3月末に局長と話す機会があったのだが、「明日から新入社員じゃなくなりますね!」と言われてなんだか他人事みたいに感じてしまうのはまだまだ気持ちが新入社員という4文字に甘えていたいから。
会社の仕事にも慣れてきて、なんとなくペースも掴めてきたし、どうすれば上手くいくのかも分かってきた。チームで働くのも楽しいし、評価されることの嬉しさ、まだまだ仕事の腕を上げたいという向上心、どれもちゃんと均等にある。それでも気持ちの靄が取れないのは、この仕事の良いところも悪いところも分かってきたからだと思う。
新入社員のうち、3人が休職した。
このうち2人は既に業務に復帰している。うちの会社は一般的には文化系の会社に見える。事業内容も説明会での内容もまさしくそんな感じ。だからこそ社員として入社してくる人もどちらかというとガツガツという方向性ではない。だが実際の業務を見てみると意外と体力勝負だったり、携帯の通知音が幻聴になるという話があるあるとして共有されるくらい。数値的な定量目標もシーズンごとに設定されていてそのフォローに業務のかなりの時間を使う場面もある。だが給料もそこそこは貰えて、残業代もきっちり出るし、都内でも2-3万でいいところに住めるし、ホワイト企業だとは思う。だが細かい精神的な負担が積もっているという感覚は間違いなくある。
何が負担になるのかを考えると1人あたりの業務量負担の大きさが挙げられる。余裕がある時期もあるのだが、色々な案件が重なった瞬間の最大火力がとてつもないのだ。それが自分の案件を抱え始める2月から降りかかってくる。えげつないだろ。誰か助けてくれよ。
休職になった3人の話を少し聞いてみても、そんな感じだった。個人の能力とキャパに期待しすぎているせいで、なんとか乗り切れるタイプと心が壊れる一歩手前まで追い込まれる人が出てしまう。程よく手を抜けるタイプであればなんとかなることが多いがそれが出来ないとかなり苦しい。
個人的にはなんとかやれていて、まだやりたいこともあって、この会社にいるつもりだが、大好きな同期達が苦しんでいるのを見ると会社への不信感と自分の順番がいつかくるのでは?みたいな漠然とした不安に襲われる。
一緒に働きたいと思っていた人もいて悔しい。なんでや。
新卒の離職率3割、社会全体の問題やないか。
おわり