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短篇小説 天に嘆く

生れ落ちた世界で天に嘆く毎日、喜びと悲しみ、輝く落日の夕景。季節は秋。私が終わるか?、この国が終わるか?、世界が終わるか?
順番も行方も誰も知らない世界で、いよいよ終わりに突き進む何かの予感
を感じながら、それでもなお美しい日々を送る人々がいた。そして私もその一人だった。
「ああ、もうだめだ!」
「また始まった」
「いつまで続くんだろう?」
「どうせ無駄だよ」
そう言ってあきらめてしまえば楽になれるのだろうけど、私はそんな言葉を口にする気にはなれなかった。終わりを迎えた世界の中で、人々は悲嘆の声を上げ、無為の時を過ごしているように見えても、実はそれは変化の始まりでした。
「また始まったよ!」
「いい加減にしてくれ!」
「なんにも変わらないじゃないか!」
人々は嘆きながらも、心のどこかではその声に耳を傾けていた。絶望の中に希望を見出そうとしていた。
「今度こそ終わったのかしら……」
「いや、まだだ!」
「でも、何を信じたらいいの?」
「わからない……だけど、何かが起きるはずだ」
終わりを迎える世界でも、人々の心の中には何かを期待しようとする気持ちがあった。それこそが希望だった。
球体の宇宙から見た、翼を持つ未来、晴れた秋空。すべては絶えず動いていた。その中で、秋の空は絶望と希望のシンフォニーを奏で、天に向かって輝き、嘆き、歌っていた。
その下の世界は終わりを迎えていた。陽が沈み、長い影が踊っていた。しかし、その暮れの静寂の中で、一つの深遠なメッセージが浮かび上がってきた。世界が終わっても、美しさと希望は存在するのだと。
この相反する二つの要素が、生命の豊かなタペストリーを描く。終わりを迎える世界の中でも、美しさと希望が存在することを思い出させてくれる。希望と絶望、始まりと終わりの歌、それが存在のメロディである。

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