老婆心の視線
私のデスクの位置は、フロアにいる誰からも見えやすい場所にある。
正確にいうと、
近くに書類に押すための各種ハンコを押す台がある。
そのためパソコン画面一点見つめていても、
目が細長い私は、
人の存在を感じるだけでなく、
フロアのどの人間が来たのかさえも認知してしまう。
五感も敏感な方で、
人の足音で誰が来たかも当てられる。
私の性格上、気が散りやすく
人に見られることは得意ではない。
なので、少しハズレ席なのだ。
人の視線も少し怖いと感じるタイプだからなおさら。
さらに、追い討ちをかけるように
斜めの席には
「老婆心で言うけど、、」
と細かく注意をしてくる先輩がいる。
有難いことなのかもしれない。
だが、
私はパソコン画面や、姿勢、ノート全てを
その老婆心に見守られている気がしている。
後ろには目はないはずだ。
いや、私の新しい能力か?
後方からの視線をキャッチ出来る能力。
私も数十年後に老婆心を持つのだろうか。
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