20歳の独立日記〜15日目〜
5月25日(金曜日)
今日は実家に帰った。健康保険証を母に返しにいくために。6月から国民保険に加入する。僕はよく分かっていないが、守られていた立場から自分で自分を守る立場になるらしい。恥ずかしながら、こういった手続き関係は母に任している。母は個人事業主で、Amebaブログ界ではカリスマらしい。僕からしたら普通の母だ。
母は20歳のときに僕を出産し、その後すぐにシングルマザーになった。「大変だったでしょう」コンビニのパートのおばちゃんによく言われた。僕はピンと来なかった。その当時の母と同い年になって、やっと分かった。
小さい頃に思い描いた20歳は大人だった。20歳はほぼ、未成年だ。社会の仕組み、保険のこと、お金の流れなんて何にもわからない。母は一人で不安だったと思う。保育士の先生によく怒られたと聞いた。甘えさせるな、これはしてはダメだ。将来グレるかもしれないよ。
毎日ピザ工場の事務員のパートをしていて、夜は遅かった。保育園では僕はお迎えを待つ、最後の一人だった。どれだけ忙しくても、家では手料理を作ってくれた。保育士の想いとは裏腹に僕は一切、グレなかった。母は厳しかった。そして誰よりも優しかった。僕が小学校3年生のときに今の父とピザ工場で出会い、再婚した。
3年前に僕の妹を出産した母は毎日幸せだと言う。毎年、大阪と東京で大規模なセミナーを行う。毎回大盛況らしい。母はすごい。そんな母から生まれたのに、毎回、健康保険証を実家に持ってくるのを忘れてしまう。忘れるのは2回目だ。しっかりしよう。
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今日はGARBというお店の20周年パーティにお邪魔させてもらった。僕と同い年。GARBを運営する会社「バルニ・バービ」は飲食業界で今一番勢いのある会社らしい。ガイアの夜明けにも出てたそうな。すごい。著名なアートディレクターや、インテリアデザイナー、照明デザイナーの方がテーブルを囲んでいた。
僕は歯がゆくて、途中で抜け出してしまった。街をぶらぶら歩いた。自分は専門学校を卒業して、何も持っていない。実績も。独立2ヶ月。大きな海を目の当たりにした。
お気持ちだけでも飛び上がって喜びます