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【図解まとめ】『社内評価の強化書』を図解で分かりやすく要約

「自分の方が成果を出しているのに、なんであいつの方が評価されるんだ?」
「自分も上司に可愛がられて、どんどん出世していきたい」

働いていて、こんなことを思ったことはないですか?
おそらく社会人なら、多くの人が一度は思ったことがあるのではないでしょうか。

そんな方におすすめの本がこの記事で紹介する『社内評価の強化書』です。

読んでみたところ、参考になるポイントがたくさんある有益な本だったので、重要ポイントを分かりやすく図解してみました。

ぜひ最後までお付き合いください〜!

『社内評価の強化書』の基本情報

■『社内評価の強化書』の著者

森中謙介(もりなか けんすけ)

株式会社新経営サービス人事戦略研究所シニアコンサルタント。若手の出世に詳しい人事のプロ。関西随一の人事・教育コンサルティング会社である新経営サービスに入社。2013年、役員を除く社内成績でNo.2に。同年新卒入社者では最短でシニアコンサルタントに昇進した。
中堅・中小企業の経営者・経営幹部を対象とした人事制度構築、改善のコンサルティングに加え、評価者研修、セミナー講師、執筆、商品開発と幅広く活動。その活動を通し、出世する社員の考え方、正確、行動、習慣等を著者なりに研究、体系化した結果を本書にまとめた。

■『社内評価の強化書』とはどんな本か?

誰しもが「公平で客観的な評価をされたい」と望んでいると思います。

しかし、人間は必ず評価エラーを起こすものであるため、人事評価を完全に公平に行うことは簡単ではありません。

逆に言うと、人間が起こしがちな評価エラーをよく知って対策すれば、正しい評価を得られるだけでなく、通常よりも高い評価を得ることも可能なのです。

『社内評価の教科書』は、そのための具体的なテクニックを学べる本になっています。

■『社内評価の強化書』の目次

第1章 ハロー効果―なぜ、あの人は“実力以上”に評価されるのか?
第2章 遠近誤差―上司は「終わりよければ……」で判断を下す
第3章 寛大化傾向―みんな、上司にかわいがられて出世する
第4章 対比誤差―わが社の「隠れた評価基準」を見つけよ
第5章 論理誤差―あなたは職場で「誤解」されていないか?


『社内評価の強化書』はどんな人にオススメか?

本書はこんな人におすすめです。

・社内でどんどん出世していきたいと思っている人
・成果を出しているはずなのに「なぜか評価されてない」と感じている人

「自分当てはまってるかも」と思った人は『社内評価の教科書』を読んでみて損はないと思います。

では早速、内容を図解を交えながら紹介していきます。

【副業】note記事アイキャッチ画像

はじめに

人事評価は人が人を評価するものです。評価者のスキルや主観・感情等に影響されてしまい、公正な評価ができなくなることがあります。

このように評価者が陥りやすい心理的な錯誤を「評価エラー」といいます。

この評価エラーによって、

「自分の方が高い成果を上げているのに同僚のあいつよりも評価が低い」

なんてことが起こってしまいます。

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人間がよくしてしまう評価エラーが5つあります。

①ハロー効果
②遠近誤差
③寛大化傾向
④対比誤差
⑤論理誤差

本書では、上司がよく陥りがちなこの5つの評価エラーを取り上げます。

評価エラーを知り、自分の評価が上がるにはどのように工夫すればいいか?そのポイントとノウハウを紹介する本となっています。

会社員である以上、社内評価から逃げることはできません。
社長や上司による部下の評価は時として理不尽です。実際、会社の人事評価に満足している社会人はわずか3.2%しかいないそう。

ただし、社内評価というのは思っている以上にコントロールすることができるのだと筆者は言います。

社内評価が高まると、総じて「仕事がしやすくなり、仕事が面白くなる」という好循環が生まれます。

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だから、人間がおかしがちな評価エラーとその対策法を知っておくことはとても大切なのです。

ここからは5つの評価エラーとその対策法を紹介していきます。

エラー1:ハロー効果

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学歴、家柄、容姿、肩書きなど、人は相手の一つのある目立った特徴に引っ張られて、相手を必要以上に高く、あるいは低く評価してしまう傾向があります。これをハロー効果と言います。

例えば、出身大学が東京大学と聞くと、急にその人が仕事ができるように見えてきませんか?

あなたの会社の社長や上司にも、部下を必要以上に高く評価してしまうポイントが必ずあります。

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ハロー効果を生み出すためのテクニックを3つ紹介します。

テクニック1:返事は0.2秒でする
若いうちに評価されやすいのがスピードです。返事は0.2秒でしましょう。

仕事を上司に頼まれたら、気持ちよく「わかりました!やります!」と答えてください。頼む方も断られるかもしれないという意識があるので、即答することで相手の期待を上回ることができます。

もちろん、中には二の足を踏んでしまうような仕事もありますが、だからこそ即座に返事ができるのであれば「こいつのスピード感、行動力は大したものだ」と上司から評価されます。

ビジネスにおいてはスピード感がハロー効果を生み出します。
テクニック2:最短で仕事を仕上げる
スピード感のある社員を評価する経営者は多いものです。

朝、上司から指示された仕事があり、その締め切りが2週間後であったとしても最短でいつ仕上げられるかを考え、極力早く行動を開始し、その日のうちに何らかのアウトプットをすることを心がけましょう。

仕事を指示した上司はそんなに早くレスポンスがあるとは思っていないので、「こいつは恐ろしく仕事が早い」と評価するようになります。そして、より重要で高度な仕事が任せられるようになります。

常に最短でいつまでにこの仕事を仕上げられるかを考え、即行動し、即アウトプットをすることを心がけましょう。
テクニック3:二刀流の社員を目指す
二つ以上の異なる分野に強いことがプラスのハロー効果を生み出します。なぜなら、普通、二刀流の社員は稀だからです。

少しでも余裕があれば、他の分野を勉強して知識を身につけると社内評価を高めることにつながります。

特におすすめなのが財務会計とマーケティングだと筆者は言います。

エラー2:遠近誤差

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上司は「終わりよければ全て良し」で評価を下す傾向があります。

例えば、期初から営業成績の悪かった社員が期末に大口受注を取ると、それまでのマイナスイメージが薄れ、一気に高評価を受けてしまうことがあります。

同様にその逆もあり得ます。これが遠近誤差です。

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遠近誤差をうまく活用したテクニックを3つ紹介します。

テクニック1:上司と1ヶ月に一回、一対一の面談をする
遠近誤差の観点から言えば、評価・査定が実施される時期に近いタイミングで上司に対して成果をアピールしていくことが有効。

一方で、評価期間全体の仕事ぶりを公平に評価してもらうためにはどうするか?それは、定期的に報告書を作成・提出し、上司と一対一の面談を行うことです。

仕事の細かな進捗状況や改善点、今後の目標などの総合的な内容が記載されている報告書を作成しましょう。それを事前に提出し、その後1対1の面談を行う時間を30分程度取ってもらいましょう。部下からの仕事の進捗状況報告をさせてほしいという要望を断る上司など、人の上に立つ資格はありません。だから遠慮はいりません。

報告の際には失敗→成功の順番に両方報告しましょう。失敗したことを正直に報告すると誠実な印象を与えることができるし、上司としても成功したことよりも上手くいかなかったことに対してのほうが、アドバイスがしやすいので都合がいいのです。
テクニック2:評価期間序盤は思い切ったチャレンジを
遠近誤差のせいで、上司は半年前のことは覚えていないが、インパクトのある出来事であれば上司も覚えているもの。

序盤はのんびりしている人が多い中で、この時期に積極果敢にチャレンジングな仕事をしましょう。そうすることで意欲の高さをアピールできます。

仮にチャレンジに成功したら最終評価を高めることができるし、失敗したとしても序盤なら巻き返しができるのです。
テクニック3:評価期間の中盤でのテクニック
もし良い成績が出せているなら手を抜かずに圧倒的な成績を叩き出しましょう。同僚はもとより先輩も超えて、部内や社内でトップになるくらいに成績を上げるよう努めてください。

また、上司の手柄を増やすことも効果的です。上司は部下のマネジメントをしつつ、個人としても仕事の目標を持っていて、自身もさらに上の幹部や経営者から評価を受けているのです。そんな時に当人の仕事はきっちりこなしつつ、自分の仕事にも積極的に貢献してくれる部下を、上司は高く評価するものです。
それに、評価の高い上司の下で働いているメンバーの評価は、やはり相対的に高くなるもの。上司に手柄を渡したからといって上司だけが評価されることはないので安心してください。

もし、結果が出ておらず目標達成が難しい時は「あきらめずに最後まで泥臭く努力をする」ことを意識しましょう。経営陣は取り組むプロセスも評価対象としています。敗戦濃厚であっても最後まで勝ちをとりにいく泥臭い姿勢で仕事をする。そうすれば特に若手社員の場合、さほど悪い評価にはならないものです。

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遠近誤差は一時間の会議の中でも起こります。
本書で紹介されていた会議中や会議前に気をつけるべきことを3つピックアップして紹介します。

1. 会議の最初に発言する
議論が煮詰まる前では多少的外れだったり、ありきたりな意見でも許される。何より発言できれば目立つことができます。
2. 会議の終盤に発言する
議論をまとめて整理し、意思決定を促す。「議論をまとめると、〇〇ということで、最終的には〇〇ということになりますね」などと整理する。
3. 発言したいことを事前に考えてメモしておく
会議で発言することを事前に考えておく。こうすることで、「議論についていけず発言ができなかった」という事態を防げる。そんなこと?と思ったかもしれないが、そんなこともしていない人が多い。

エラー3:寛大化傾向

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上司も人です。同じ部下でも可愛い部下には評価が甘くなります。

これが寛大化傾向です。

遠近誤差をうまく活用したテクニックを4つ紹介します。

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テクニック1:社長はこんなことを言ってくる社員に弱い
社長と接する機会を増やし、社長に可愛がられましょう。これが社内評価を高めるのに最も効果的な方法。なぜなら社員の評価を最終的に決定するのは社長だから。

では、社長に何をどう話しかけるか?本書では3つ紹介されていました。

1.
社長の趣味を話題にする。趣味の話を振られて嫌がる人はそういません。
2.
出世したいとはっきり言う。若手の出世欲が薄いと言われる時代だからこそ、そんな若者がいたら光って見えるもの。
3. 会社に対する感謝の気持ちを伝える。存外、経営者は何気ない感謝の一言に弱いもの。
テクニック2:有能な人ほど、実は露骨なおべっかに弱い
いつの時代も能力の高い人間には大きな仕事が集中します。

彼らにはやるべきことがたくさんあるので忙しい。忙しいゆえにすぐに自分の助けとなる即効性のあるサービスを常に必要としています。だから有能な人間は露骨なおべっかに弱いのだと筆者は言います。

「あの人は優秀だから、きっと他の人が気づかない自分の良さに気づいてくれるだろう」などと期待するのは仕事のできない部下の甘い幻想に過ぎません。そんな気持ちを汲んでいるほど彼らはヒマではないからです。

もちろん実力だけで勝負する道もありますが、仕事で成果を出し続けるのは簡単なことではありません。
テクニック3:あえて期待値を下げる、というテクニック
上司の寛大化傾向を引き出すには自身の欠点や弱みについて明確に伝えておき、期待値の下方修正を行うことが有効です。

自身の弱みを伝えて、「〇〇君にはこう言う弱みがあるから、この分野に関してはこれくらいの結果しか望めないな」という認識を上司に持ってもらいましょう。

そうすればうまくできなくても「予想通りだ」と、それほど厳しい評価にならないし、逆にうまくできた場合には「彼にしてはすごく頑張ってるじゃないか」と評価が甘くなり高い点数が付きやすいのです。
テクニック4:失敗の仕方でむしろ評価が上がる
正しい失敗であれば、社内で極端なマイナス評価を受けることはほぼありません。むしろチャレンジングな姿勢はプラスに評価されるものです。

【失敗の前後で守るべき作法・セオリー】
1)失敗を隠さない。失敗は仕事のプロセスの一部であり、失敗は隠せば隠すほど大きくなる。失敗があればすぐに報告する。

2)失敗を恐れて仕事のハードルを下げない。これをしてしまうと大きな成長が望めない。

3)自分の失敗パターンを知る。同じ失敗を繰り返すと評価を大きく下げてしまう。自分はこういう場面で失敗しやすいというパターンがある。それを分析することで同じ失敗を繰り返さないようにする。

エラー4:対比誤差

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会社に明確な評価基準がない場合、通常は上司は部下を他の部下との比較で評価します。これは相対評価と言われるもので、会社が社員を客観的に比較して公平に評価しているなら問題ありません。

しかし、相対評価は客観的に比較し正確に評価を下すのが難しいものです。

A君とB君の二人の社員がいるとして、A君がずば抜けて優秀だったりすると、「同期なのにB君はなんでこんなこともできないんだ」となり、それほどB君が世間一般に見て劣っているわけではなくても、優秀なA君のイメージが強すぎてB君の評価が下がってしまうことがあります。

これを対比誤差と言います。

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対比誤差を活用するための2つのテクニックを紹介します。

テクニック1:上司の苦手分野を自分の得意分野にする
人は自分にないものを持っている人を、無条件に高く評価してしまう傾向があります。

自分ができそうなことで、かつ社内にできそうな人がいない、または少ない分野があれば、それをチャンスにつなげることができます。

例えば、著者は大学で法学部に在籍していたことを理由に、入社一年目から労働法に関する冊子を作る仕事を依頼されたそうです。当時この分野にたけている人物が社内におらず筆者に白羽の矢が立ったのだとか。この仕事をきっかけに筆者は「あいつは労働法に詳しい」と社内で一目置いてもらえるようになったそうです。
テクニック2:社訓には重大な出世ポイントが隠れている
経営者は経営理念を重視しており、社員にも経営理念をしっかりと理解してもらいたいと思っています。

しかしそんな社員はなかなか多くはありません。だからこそ会社の経営理念の重要性をしっかり理解し、日々の仕事で実践できていたら、周囲と比べて光って見えるものです。

具体的には「経営理念を日々の行動に落とし込みそれを徹底すること」と「経営理念について社長から直接話を聞くこと」の2つを実践しましょう。

エラー5 論理誤差

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「あいつはO型だから仕事がおおざっぱ」

このように上司は直接因果関係のないもの同士を結びつけて評価する傾向があり、これを論理誤差と言います。

この論理誤差を活用するためのテクニックを2つ紹介します。

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テクニック1:上司はこうして部下を誤解する
自分のキャリアに対して真剣に考えるに越したことはないですが、過度なキャリアアピールはマイナスに取られてしまう危険性があります。

経営者は最初から将来ビジョンが明確な意識高い系の社員よりは、純粋に会社が好き、仕事が好き、職場が好きで、将来のビジョンはまだぼんやりとしているけれども、目の前のことにひたすら打ち込んでいる社員を高く評価する傾向が明確にあるそうです。

過度なキャリアアピールは避けた方が無難です。
テクニック2:評価が高まりやすいキャラになる
評価が高まりやすい人物の特徴や振る舞い方というものは確かに存在していて、それを真似ねることも効果的だと筆者は言います。

本書で紹介されていたものを一部紹介します。

1. 声が大きい
2. いじられキャラ(若手のうちは上司や取引先からいじってもられば何かとメリットがある)
3. 仕事や会社が好き
4. 仕事は断らない(一度断ると二度と仕事はこない)
5. 叱られ上手(上司が叱りやすい部下は伸びる)
6. 忙しいと言わない

まとめ

要約は以上になります。

人事評価は理不尽なものです。人が人を評価する限り、人事評価への不満は必ずついてくるものだと思います。

その理不尽さに愚痴を言うのは簡単です。しかし、それでは何も前に進みません。自分が惨めなだけです。

理不尽さを受け入れた上で、人間が犯す評価エラーをきちんと理解して、人事評価をハックした人がどんどん出世していくのだと思います。

興味を持たれた方は、一度本書を手にとってみてください。

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