下町芸人物語~SEMI 蝉~

最近早起きが多い。

7時前には自然と目が覚める。

陽の光を閉ざす黒いカーテンをシャーと開けると

青い空と真っ白い雲が目に映る。

多分それが今気持ちくって癖になってる。

冷房を消して窓を開けても全く風は入ってこない。

それでも開ける。

何故か。

“蝉の声が聞こえるからだ”

その瞬間に

夏だ。


そう感じるのだ。


そして俺は蝉が嫌いだ。

すまん。蝉。

飛び回ったりおしっこしたり普通に見た目が苦手。

まじですまん。

でも鳴き声はめちゃくちゃ好き。

わがままでごめんな。

鳴き声を嫌いって人は聞いたことない。

鳴き声とゆうより歌声。

夏のBGMのボーカリストが蝉。

こんな歌声を愛されているアーティストもそう居ない筈だ。

それなのに。

神様も意地悪だよな。

もっとシュッとさせてカッコイイ姿にしてあげてよ。

二足方向で翼が生えてるとか。

前髪かき分けてるとかさ。

なんであんな極端におブスなんだよ。

俺は大好きなんだぜ。蝉よ。

それのおかげで景色が一変するんだから。
凄い力を持ってる。

しかも1週間しか寿命がないんだよな。

不思議だなあ。

多分いっぱい鳴いて頑張ってるからだろうな。

せめて夏休みくらいの寿命はあげたいよ。

俺は夏に蝉がいなくなったら嫌だよ。

そんなの夏じゃないよ。

いつも鳴いてくれて素敵な夏をありがとう。

1日1日を大事に。てか。

サンキュー。

お前らの分まで頑張るぜ。


あとお前らってメシ何食ってんの?


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