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国連本部でのインターン① Apply/準備

2023年9月1日から翌年2月末まで、Department of Operational SupportにてTrilingal Partnership Projectのサポートを行っています。国連PKOの行う平和維持活動の能力構築訓練を実施する部署です。

Outline
・応募の流れ
・選考の流れ
・VISAの準備
・ニューヨーク生活への準備
・初日の流れ

★応募の流れ
国連では6か月を上限にインターンシップを実施しています。自分も含め、修士課程最終学年の生徒がMajorityでした。一部有償の機関がありますが、それでも月1000ドルほどで、ほとんどの機関は無償です。そのため、渡航費用・生活費・保険料を滞在期間支払えるかどうかが、応募のための第一条件になります。私の場合は出身大学からDOSでのインターンの話を前年12月の地点でいただきました。5月に国連求人サイトInspiraに公募がなされるとの情報を受けたので、4月頃までの履歴書情報をアップデートし、事前にロスター登録を行いました。Inspiraへの登録を全部終えるには数時間を要するので時間的余裕が必要ですが、一度登録し終えると他のポストへ出すときはいくつかの項目変更だけで提出ができ、ラクになります。

★選考の流れ
応募から2週間ほどで連絡があり、面接と筆記試験がありました。公募の期間はまだ終わっていなかったので、一定人数が揃った地点で締め切って選考プロセスを開始するようです。面接では期待される役割や部署の仕事内容について説明を受けたのち、大学院での研究や日本での職務経験、今後のキャリアの方向性などの質問に回答しました。変化球な質問はなく、自らの過去現在未来の一貫性と、このインターンが自分のキャリアにもたらす意味合いについて回答できればOKなのかなと思います。時間は20~30分ほど。その数日後筆記試験の連絡があり、英文要約を行いました。45分以内に返信してくださいという形でメールをもらい、記事を指定された分量内にまとめて返信する形です。内容は部署が実際に行っているプロジェクトの報告書から引用されていました。なので、英語運用能力というよりは対象分野への理解度を試されている感じがしました。

★VISAの準備
そこから2週間ほどたった7月初旬にオファーレターをいただきました。そのメールに国連からアメリカ大使館に向けた書類作成のための必要書類の提出についての内容が記載されており、保険加入証明・健康状態証明・パスポート情報・在学証明・国連オンライン研修終了証の提出を求められました。優先順位トップは健康状態証明で、国連フォーマットへの英語での診療結果記載・捺印が必要なため日本でも海外でも時間を要しますし、保険加入時にも必要な情報になります。なので選考結果がわかる前に動き始めていてもいいかもしれません。イギリスに滞在していたのですが、健康保険は海外在住者が他の海外の国へ旅行・滞在することをカバーできる種類がとても少なく、調べた範囲内ではグローブパートナーとワールドノマドの2社のみでした(日系全滅!)。どちらもオンラインで契約が可能ですが、日本語デスクのあったグローブパートナーで私は契約しました。料金は月単位で設定されており、4か月滞在で約5万円でした。

国連オンライン研修はBSAFE、Harrasment、Ethics、Integrity、Information Securityの5つの内容が必修でした。確認テストで8割を取らないといけないので、特に100問&問題が複雑なBSAFEは時間がかかりました。これらの準備をすべて終えたのは2週間後の7月15日頃でした。全ての書類を提出後にVISA申請書が国連側で作成され、受け入れ先⇒国連サポートオフィス⇒US Visa Office⇒アメリカ大使館の順に連絡がいき、20日頃に大使館からアポイントの連絡が届きました。運送業者を使った直接訪問なしのサービスもHPに書かれていましたが、利用しようとしたところ記載と異なる書類の提出を求められ対応拒否をされてしまったため、ロンドンの大使館に直接訪問しました。インターンでの滞在はG-4ビザ(国連外交ビザ)が該当し、面接は不要で、大使館でも通常ビザ申請の長い列に並ぶことなく特別対応で手続きが進みました。必要書類はDS160という申請書で、内容ぎっしりのオンライン申請を行いそのコピーを印刷・持参します。ここまでのタイミングでNYでの居住地と航空券を確保し、記載する必要があります。また過去のアメリカビザ発行歴が必要で、私は前パスポートで学生ビザを取っていたので、そのビザ番号を確認するのにも時間がかかりました。

ビザ申請は7月26日に行い、一週間後の8月2日に受取でした。2回ロンドンに日帰り旅行をする必要がありましたが、業者より確実ではありました。アポイントはいくつかの日程が提示されますが、いずれも午前10時半集合のみで、訪問できる人数も日程も絞られているので、最優先して予定を組む必要があります。その後ビザが発行された旨を所属部署に伝えると、国連メールアドレスの発行や本部の入館証の発行手続きなど、より具体的な準備へと進みました。メールアドレスをもらった段階(8月中旬)でチームメンバーへの挨拶を行ったりやチームで利用しているデータや資料にアクセスすることが可能になります。また国連職員向けの情報も入ってくるので、インターン生や日本人職員などのグループへの参加もこのタイミングでした。

★ニューヨーク生活への準備
ラーメン一杯3000円、ディナーでお腹一杯を目指すと1万円はくだらないと言われるニューヨークライフ。無給の中少しでも節約するために利用した不動産サイトは「びびなび」と「JCSA」。どちらも日本人向けのシェアハウス紹介サイトで、洗濯乾燥機・炊飯器・Wi-Fiなどが込みの価格で提示されています。私が契約したのは隣町Yonkersの650$の部屋。ハドソン川沿いで景観が良くニューヨーク州3番目の人口の都市なのでスーパーやその他施設もそろっていて住みやすい街です。Yonkersから国連本部ビルまでは約1時間半、バスと地下鉄2本を乗り継ぐ必要がありますが、どの距離乗っても料金は2.9$で一緒(バスと地下鉄の乗り継ぎは無料)なので交通費は市内住みと変わりません。Yonkers以北はバスの本数も一気に減るのでメトロノース(普通の電車)に乗って1回12$ほど必要なので、ここが北の通勤限界ではないでしょうか? ビビナビ経由で直接オーナーさんとやり取りをしたので、家賃+デポジットのみで済みましたが、代理店経由だと1か月分の家賃を紹介料として支払う必要がある点は要注意です。他のインターン生はQueens/Brooklynが多めですが、市内だと1000$はオーバーしそう。国連からも住居の紹介がありますが、安くて2000$、5000$オーバーも普通と、完全に金銭感覚がずれているので論外です。

飛行機で到着後、市内へはエアトレイン(9$くらい)⇒ロングアイランドレール⇒メトロノース(乗り継ぎ合計16$くらい)で移動しました。JamaicaやHawardbeachから地下鉄利用ができれば安いですが、大荷物をもってピーク時に移動するのは気が引けたので、まだ混雑がましな鉄道を利用。到着後I94という入国書類を国連に提出し、領事館に在留届を提出すれば一旦すべての準備プロセスは完了です。私はインターン開始1週間前に到着し、初日までの時間をNY在住の知り合いへのあいさつ回り、大学の後輩たちの国連セミナーへの参加などの慣らし期間にあてました。交通機関の乗り方や買い物、外食の仕方を事前に知って慣れておくのは大事。また携帯Simは短期滞在なので月額5ドルの格安Sim「tello」を購入。地下鉄の構内や街中は基本Wi-Fiが飛んでいるので最小限のプランで十分です。

★初日の流れ
最後に初日の流れについて。事前に送られているであろう入館証申請書類を印刷して持参し午前9時にIDオフィスに向かいます。9月1日は特に多くのインターン生が同じタイミングで申請をするのでそこで交流できます。印刷は有料ですが近くの印刷屋で行うことができます。写真撮影やいくつかの署名を終えると国連本部に入り、部署のあるフロアへと移動します。IDは本部のみではなくUNICEFやUNESCO、UNDPなどの専門オフィスビルにも対応。午前中は支給されるPCやプリンターの設定、昼は職員カフェテリアや中庭の案内をしてもらい、午後からは通常の観光客にも提供されている国連ツアーに無料で参加し、すべての議会場を見学することができました。職員カフェテリアは重さ量り売りで有料ですが外食よりは圧倒的に安め(10ドルほど)。ご飯やパンを持参しておかずだけ購入パターンの人も多いです。テラス席はQueens方面を一面出来るリバーサイドで最高の長めです。ツアーが終わり部署の入っているフロアを案内してもらい終えると初日が終了です。インターン生は入管時は46stのビジター入り口で面倒ながら毎回セキュリティチェックを受ける必要がありますが、帰りはメインエントランスから出られます。最寄りのグランドセントラル駅までは徒歩10分ほど。朝から晩まで交通量が多くにぎやかですが、タイムズスクエア、ブロードウェイ方面まで続く42stの活気はニューヨークに来たことを実感させてくれます。

今回はここまで。次回以降はニューヨークでの生活面、そして業務内容についても触れていけたらと思います。

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