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「アラビアの夜の種族」を推理する (その②)


前回、アラ夜の中の主にジンニーアについて推理しました。(※詳細は上の「その①」というリンクからご覧ください)

前回は、「ジンニーア=メリュジーヌ説」と「アーダムは実はジンニーアに愛されてた説」を提唱(?)しました笑

しかし一方で、新たな謎も生まれてしまいました。

~推理その①で残った謎~

・ジンニーアがフランスのメリュジーヌなら、なぜ上エジプトにいる?

・ジンニーア=メリュジーヌなら、彼女は王族であるアーダム/サフィアーンと血縁関係があるかも知れないが、作中で血縁関係は示されてないように見える

……これらの謎は、ゾハルの場所やアーダムの国がどこか分からない事には解けないと思うので一旦保留にしたいと思いますw(;´∀`)

その①の謎は宿題に取っておくとして今回は、アーダムについて見ていきたいと思います。

2.アーダムについて

アーダム

※アーダムの想像図(キャラデザ捏造ごめんなさい💦)


~アーダムの出生~

アーダムは「顔が醜い」「邪悪な性質」「非常に優れた知性」「不器用」という特徴があります。

私はこれらの特徴から、アーダムはヨーロッパの伝承にある「妖精の取り換え子」ではないかと推測しています。

取替え子の伝承https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%9B%BF%E3%81%88%E5%AD%90

作中で彼は人間だと書かれてはいますが実は妖精の血が混ざっていて、生まれたばかりの頃に王族の赤子と取り換えられたのではないでしょうか?

~アーダムの親~

アーダムを王宮に置き去りにしたのは恐らく彼の親ですが、その親が作中に登場するとすれば、アーダムと顔が似て醜い筈です。作中に登場する非常に醜い者といえば、ゾハルの魔女神官が思い当たります。

~魔女神官は如何にしてアーダムを取り換えたか~

魔女神官がアーダムの母親とすると、彼女はどうやって警備の固いであろう王宮に侵入し、アーダムを取り換えたのでしょうか?

私は、魔女神官がゾハルの4つの夢の石室を管理している事に注目しました。

アーダムが入った「過去の夢」の石室の中では、夢が現実として立ち現れる、夢が実体化するとありました。

私は、この石室に入る儀式がただ単に臨場感ある夢を見せるだけのものとは思えません。(それだけでも十分凄いと思いますが)

例えば……もしも、この実体化した夢に対して何か操作を加えることができたとすればどうでしょう?

それは過去や未来を変える事、運命を変える事に繋がるのではないでしょうか?

そこで私は、この魔女神官が「過去の夢の石室」の中で赤子のアーダムを王族の赤子と取り換え、置き去りにしたのだと考えています。


~アーダムと取り換えられた王族の赤子はどうなったか~

「取り換え子」の伝承によると、妖精は自分の実子の代わりに地獄に捧げるため人間の赤子を攫うと言われています。又は単純に、美しい赤ん坊を気に入って攫うこともあるようです。

魔女神官は盗み出した王族の赤子は愛でて弄ぶか、ジンニーアの生贄にするか、若しくは別の石室に置き去りにしたと考えています。

そしてもしこの王族の赤子が物語に登場するとすれば、この赤子は別の石室に置き去りにされて孤児となり、ファラーかサフィアーン、又はアイユーブになったのではないかと思います。


~ゾハルの秘儀の意義~

先ほど、「石室の儀式は夢を見せるだけではなく、夢を通じて未来や過去を変える事もできるのではないか」と推測し、魔女の神官が石室のこうした仕組みを使って赤子を取り換えたのではないかと書きました。

石室の夢がただの夢ではなく、過去や未来、森や海の世界と繋がっているとすれば、ゾハルの信徒たちはこの石室をタイムマシンやどこでもドアのように利用して過去をやり直すことも出来るし、未来を変えることもできるし、森や海を思い通りに変えることができるという神のような力を持っている事になります。

ですが、大勢の信徒たちが好き勝手に世界を改変してしまうと多分大変な事になるでしょう。(例えば、並行世界が大量に発生してシュ〇ゲとかぼくら〇みたいに戦争が起きたり大災害が起きたりするかも分かりません)

各石室に守護者が置かれているのは、このような事態を防ぐためという理由もあると思っています。

ソロモンはジンニーアを封印する以外にも、石室に入った者が世界改変できないようにする目的もあって守護者を石室に置いたのではないでしょうか?

森の夢の石室と海の夢の石室の守護者(それぞれ森を背負った翼竜と海蛇)は石室に入った者を襲うため、守護者を倒さない限り森や海を操作することは出来ないでしょう。

一方、過去の夢の石室と未来の夢の石室の守護者(それぞれ下半身が蛇の女/男)には侵入者を直接攻撃してくる様子はありませんでしたが、彼らは恐らく「侵入者の過去/未来」を侵入者自身の目の前に差し出すことで運命を変えるよう唆し、侵入者たちを破滅に導こうとすると考えています。

そのため、過去/未来の石室に入った者が無事石室から出るためには、目の前に展開される自分の過去や未来にしっかりと向き合い、自分の運命を無暗に変えないよう気を付ける必要があるのではないかと思います。(ただし魔女の神官ほど熟練した魔術師であれば、悪影響を及ぼさない範囲で運命を変えることもできると思います)


~まとめ~

・アーダムは魔女神官の息子で、彼女によって王宮に置き去りにされた「妖精の取り換え子」と予想

・アーダムと取り換えられた赤子はファラー/サフィアーン/アイユーブの内の誰かではないか?

・ゾハルの石室は単に夢を見せるだけではなく、夢を通じて運命を変えることをも可能にするのでは?





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