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【映画一日これ一本】第0回 はじめるにあたって

人生は短いのに年1000本以上公開され続ける映画。毎日新しく1本見ても生きてるうちに見終わらないのでは?と気付いたので『同じ映画は二度と見ない』というルールのもとあらゆる手段で実行していくことに。この連載では映画を見て考えてみたこととその日あたりに思っていたことについて気ままに書いていきます。

こちらはあるいるnoteの共同マガジン「エンターテイメント研究会」にて連載しています。連載単体のマガジンはこちら

はじめに

知り合いとエンタメ情報を交換する、というのは小学生の頃から変わっていない人付き合いの基本だなと感じる今日この頃、紆余曲折を経て仲間内でエンタメに関するコラムを書いてみることとなった。ラジオを中心にテレビやネットも人並みに見ているが、映画はとりあえず1日1本は見ているのでこれをテーマにすることに。

しかしながら「映画コラム」と耳にするとものすごい解説っぽいものを期待されてしまうかもしれないなと思ったので、先手を打つ意味でも自分なりの映画に関する考え方を示しておきたいと思う。

それ以前

正直数年前までは全く興味が無かった、というかほとんど見てこなかった方だと思う。映画館には数年に一度行くかどうか、テレビでやっていても見るかと言われれば見なかった。まさに映画のない人生、僕の人生には映画がない状態である。しかしながら無い人にとってはそれが普通で日常。特に映画を見たいと思うこともなく暮らしてた、というか一日中音楽を聴き忙しく人生を送っていた。むしろ映画なんて見ればわかる(全ての情報が作中に存在している)のに偉そうに語るのはなぜだろう?とも思ったり思わなかったりしていた。

ラジオから

とあるきっかけで6年ほど前からラジオを聴くようになる。改めて考えると音楽好きのメディアとしての居場所があると考えたからだった。0か100な把握癖のおかげか、決められた番組を毎週聴くようになる。もともと音楽も歌詞はあまり意識せず絵画のように質感を楽しんでいたためストーリーのあるものに興味がなかったが、映画評を聴いているうちに「ストーリーを楽しむ」という娯楽に少しずつ興味が湧き、映画を見てみようという気持ちになる。

本から

しばらく経った頃、全く知らないがなんとなく良い話し方をする映画関係者の言葉が気になり直感的に著作を購入。結果的に知りたかったことが載っていたその本により「映画ってなんだろう?」と漠然と思っていたことが自分のなかで少しずつ明文化されていき、より映画について向き合うようになっていった。生きていると直感がなんとなくつながっていくことがよくあり、そういう瞬間のために生きているような気もする。

映画とは?

以下は明文化してみた自分なりの「映画とは?」について。

映画とは「誰かが何かをする話を映像として表現したもの」であり、「誰かが何かをする」=「人間が行動する」つまり「人生」を見るものと言える。
必ず人間が出てきて、何かをして、どうにかなる。それを映像という視覚情報をメインに音響効果と共に空間を支配する表現であり、映画館という専用の施設で上映するという明確な最適解が存在、そこで2時間程度ぶっ通しで見ることを目的とされたものである。

ここでいう「誰か」というのは人間では無く動物や車という場合もあるが、もはや見た目ではなくキャラクター(性格)があり行動があれば普通に誰かの人生が成立してしまう。人間という見た目じゃ無くてもなんでもいい(車が喋っても良い)と同時に、人間=キャラクターのことなのかもしれないと最近思う。(だから芸人もまずキャラを作ろうとしがちなのかもしれない)

逆にいうとキャラクターがあるものでなければ人間は感情移入できない。綺麗な景色を見て「綺麗」だと思うことはできるが、「わかる」など「共感する」ことは相手が人間ではないので難しい。それを飛び越えて物に話しかける人もいるにはいるが、感情移入できるよう擬人化(キャラクターを付加)することで解決しているので物を物として愛してはいない気がする。アニメキャラを好きになったりVtuberが成立するのも同じような話で、やっぱり人間は人間しか愛せないのだとわかる。改めて考える必要がないほど当たり前だけど、やっぱり当たり前が一番興味深く感じる。

面白いって

映画に限らず一番エンタメで重視されることは「面白い」かどうかである。映画では「笑える」という意味だけではないが、お笑いでのセオリーでは「緊張と緩和」と言われるように、端的に言えば「予想外の場面転換」によって人は面白いと思わされていると感じる。つまり驚いたかどうかである。(キャラだけな芸人は紹介→登場しか場面展開をしないので出オチになる)その上いい意味での裏切りの場合「驚き+好き(望ましい方向)」でやっと「面白い」にたどり着くのだろう。

予想外でなければ驚くことができないのに、映画は「誰かが何かをする話」でなければ感情移入ができない。つまり大体同じようなレールの上を走っているので、語り尽くされた後で新しいものを作るのはとても難しい。予想外は経験値が増えるほど、映画を見れば見るほど減ってしまうっていく一方であり、不可逆なことである。

面白くなくていい

そう考えた場合、やはり「面白い」を中心に見続けるには限界がある。そこでシンプルに「映画は映像作品」に回帰してみると、面白い・驚いたかどうかは別として「誰かの人生」を映像的に表現できているものに没入することができれば、きっとそれは良い体験なのではないだろうか?と考えるようになった。つまりは面白いか(驚きがあったか)どうかではなく、そこに「物語的リアル」があるか(没入できる世界が用意されているか)が重要だと自分の中で再認識したのである。

評価しない

展開に驚きたければあらすじを読めばいいわけで、映像をみるということ、それを作った人がいるということを感じながら日々鑑賞することに。普段聴いている音楽と同じように、どこが上手く表現されていてどこが入りきれなかったのか考えたりすること自体を楽しめるようになった。フィクションでも誰かの人生はやはり真剣に見なくてはいけないと思うし、真剣に見ればとにかく疲れるわけで、一日一本も見れば何もなかった今日がまるで何かがあったような気分にも。気付けばすっかり映画のある人生に。

そんな風にして見た映画を受けて思いついたことを書くため、内容に全く触れない可能性もある。気になるあらすじがあれば自分で調べてみて欲しい。調べればなんでも出る時代、それを踏まえて適当なことを書いていきたいと思う。

補足:マイルール

最初から最後までノンストップで見る
 →映画館で見ることを基準とするため(途中から途中までもNG)
二度と同じ映画は見ない(なるべく)
 →多くの作品を見ることを目的としつつ、一作品への集中力を高める
映画に何も求めない
 →鑑賞することを意識し、製作者の意図を想像し味わう
とにかく適当に見る
 →書くためになど余計なことは考えずその日の気分で選択

コラムについて

「一日これ一本」ですが毎日更新するわけでは無く、毎日見ている映画をまとまった段階で記事を作成。仲間内の情報共有という感覚をベースに、その他ちょっとしたコラムや過去見たものの思い出し感想なども予定。

コラム内容
更新頻度:週2回程度
掲載本数:3〜4作品
ジャンル:洋・邦・アニメ特になし
連載回数:全20回(予定)

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