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冬が楽しみになる出会い、新しい自分になれる気がした。

久しぶりに買い物に出かけた。

近年はもっぱらネットショッピング派。
会話も面倒だしネットの方が商品展開が広いと、実店舗は足が遠のいていた。

クローゼットにはなんとなく服があるけど、
着たい服はない。

久しぶりに買い物行くぞ!と意気込み
ショッピングへ。

お目当てはブラックデニムと、冬に活躍する一足。

意気込んで行っただけあり私にしては珍しく5〜6店舗で試着を繰り返す。

コロナ前との違いを感じたのは試着中。

以前は「おサイズいかがですか〜」と店員さんが試着室の近くで待ってくれていたが、土曜日午後の時間帯。忙しかったからか、たまたまなのか試着し終えても周囲に店員さんは居らずそっと商品を元に戻し店を後にする。

(そこそこお値段するお店なのに...)

根気強くお店を回り、その日はお目当てのブラックデニムをゲット。

今度は足元だな〜と1週間靴のことを考え続ける。

白ブーツに焦点を絞り、ZOZOTOWNでリサーチ。手持ちの白いブーツはヒールがありソールも白。今年は白レザーにソールが黒のフラットなタイプにしようかな。

さすがに初めてのブランドはサイズ感が分からないので、次の週末見に行ってみることに。

お目当てのブーツを見つけ試着してみる。見た目の割に軽く履きやすい。作りが大きめのようでサイズはハーフサイズ下の23.5で良さそう。

うーんまぁ悪くないけど、これという決定打はない。ZOZOTOWNでも買えるし、サイズ確認できたからここで買わなくてもいっかと店を出る。

そうそう、靴下が欲しかった。
見えない前提の履き古した靴下しかなかったので、ちょっと見えてもちゃんと可愛い靴下を探しに。

2.3店舗回ったけれどもなんかいまいち、、
グッとくるものが見つからない。

最後に寄ったお店でひと目みて気に入る靴下を発見。1足2,000円オーバーは高すぎる、、と思いながらもしょうがない可愛いんだもん。綺麗なブルーと透き通る程の白さの靴下をチョイス。

お会計を終え店を出ようとしたその時、
パッと目に入ったその靴が今年の一足になろうとは。

黒のスウェードのパラブーツ。

しゃがみ込んで見ていたら、

「ご試着できますので」
「あ、はい...」

(どうしよー、気になるけどもうあの白のブーツ買うって決めてるし、試着するのも面倒だし。あー、でも今後の参考に履いてみるのもアリだな)

「試着してもいいですか?」


***

いくつかサイズを出してくれて
24cmを履いてみる。

(ぴったり!すごくフィットする)

「え〜これ、かわいいですね...!」
「はい、やっぱりパラブーツはいいですよね〜」と店員さん。

一見無愛想に見えたけど、どこかスイッチが入ったのかパラブーツについて事細かに教えてくれる。

「これはうちのオリジナルで作っているやつで〜」
「普通の革靴は一日履いたら一日休めるペースでしか履けないけど、これは毎日履いても大丈夫なんですよ〜」
「この皮はリスレザーという雨に強い皮で雨の日も履けるんですよ」
「ひとつひとつ職人さんのハンドメイドで雨が入り込まない裁縫になっていて、、」
「ラバーソール張り替えれば一生履けますよ」
「革の値段もどんどん上がってきてるから正直この価格は、、、」

私の購買意欲を掻き立てるワードが次々と出てくる。

“雨の日も履ける革靴”
そうそう、雨の日に職場に履いていける靴を探していた。先週試着した合皮のレザーシューズは全然しっくりこなかった...

“毎日履いても大丈夫”
気に入ったらそれをリピートするタイプの私にピッタリ。

“一生もの”
これが1番危険なワード。一生使えるのなら高いなんてことはない...!

そんなことを頭の中で巡らせながら、
「え〜!」
「そうなんですか?!」
と、私も興奮気味に相槌をする。

終いには「パラブーツのことならいくらでも語れちゃいますよ」と捨て台詞を吐く店員さん。
なかなか面白い人だ。

この時点での、購買欲は75%

すごい可愛い。足にフィットしてもう脱ぎたくない。でも白のレザーブーツと、黒のスウェード靴は違いすぎる。想定外にも程がある。
一度冷静になり、聞いてみる。

「これ、取り置きできますか?」

「取り置きは確約でしか承れないんですよ〜」

(ですよね〜)

「各店1サイズ1点ずつしか入れてなくて、この3連休で結構商品も動くので、、」

まぁ仕方ない。これで私の選択肢は買うか、買わないかの二択になった。
内心パニックで店員さんに泣き言を溢す。

「わたし今年は白のレザーで黒のソールのブーツを買おうとしてたんですよー!去年白ブーツが使えたから今年はソールが黒いやつを買おうと思ってて。さっき試着もして、、これは可愛いからいいなと思ってるけど全然違うから決められなーい!」

いきなり素をさらけ出す私に店員さん半笑い。

「まぁ〜白のブーツとは全然違いますよね。
この時期は靴とバックを買う人が多くて、というのももう少し寒くなってくると皆さんコートに目が行くから。
コートはそこそこ金額もするし、そうなると革小物に手が行かなくなるからこのタイミングで靴を買うのはおすすめなんですよ。
そうすると足元ありきでコートの選び方も変わってきたりして、白いブーツを買ったらそれはそれで去年とはちょっと違う白いブーツ?に合わせるファッションになってくるし、パラブーツを買ったらまた今までとは違ったコーディネートになったりもして面白いんじゃないかなぁと思いますね。」

(なるほど!!)

今までに持ってないタイプの靴が足元に来ることによって“新しいファッションが楽しめますよ”と悩める私になんともワクワクする提案をしつつ、そっと背中を押してくれるようなコメントに脱帽。

もう心はこれを買うことに決まった。
購買欲95%

あと5%はこんなすぐに決断してしまっていいのかという不安。それを埋めるためになんとなく質問をする。

「いつも革製品だと使い始める前に防水スプレーとかするんですけど、これもそんな感じでいいんですか?」

「これは要らないですね。まぁレザーなら必要ないけどこれはスウェードだからそれを考えると防水スプレーしてもいいかもしれないです。」

「へぇ〜、そうなんですね。」

気持ちを整え、一息吸い。
もうこの靴を履き出すイメージは出来ている。

「・・・じゃあ、これにします!」

と、買います宣言!

「・・あ、ありがとうございます。」

店員さん、ちょっと驚いているじゃないか。笑


***

「靴下の合わせも楽しめるので〜」
とアフタートーク。

「実はさっきここで靴下買って、、」

袋の中からゴソゴソとさっき買った靴下を取り出し見せる。

「お店出ようとしたところ気になって見てたら試着の声かけしてくれたんですよ!!」

「あ、そうだったんですね?!それうちのじゃないっすか〜。FALKEいいっすよね〜」

その店員さんの足元はサンダル×靴下コーデ。ブルーとグレーの切り替えが可愛い靴下を履いていた。

再び靴下コーナーへ。

「ウールの靴下との相性が良いですよ〜。レザーだと浮いちゃうけどスウェードだとちょうど良く馴染んで。」

「ほんとだー。可愛いですね。でもウールの靴下は結構持ってるしさっき別の買っちゃったから今日はいいかな〜」

そんな会話をしてお会計でレジを待つ。

別の店員さんがささっとレジをしてくれてお会計は完了。先ほどの店員さんは別のお客さんを接客中。そのままお店出てもよかったけど、ちゃんとお礼を言いたくなった。

少し離れたところから、「ありがとうございました!」と購入した紙袋をさっと持ち上げ、手を振った。


***

これを衝動買いと言わずして何という...

でも思い返してみるとパラブーツ、夫の買い物の付き合いで入るお店で見かける度にいいなーと思っていた。

自分では気づいてなかったけど“潜在的欲しい物リスト”には間違いなく入っていたのだ。

だから、即決できた。

ネットショッピングだと画面上でそこまでビビッとくることはないし、ビビっときたとしても素材感やシルエットの細かいところまで分からないから自分のイメージに脚色してしまい、届いてガッカリも少なくない。

店舗で買うからこそ、店員さんとの会話から自分の欲しい気持ちの答え合わせができ安心して買うことができた。

店舗とネット、物を手に入れることは同じなんだけど“ワクワクする所”が違っていることに気づいたのです。

ネットショッピングのいちばんの楽しみは届くまでのワクワク感。あとは届けてくれる便利さ。これに尽きる。
(実物を見て気になっていた物がネットでSALEになっていてラッキーと買い物したものはまた別)

店舗での買い物は時には自分が思っても見なかった物に出会い、一瞬で心奪われ身につけてみてイメージができるワクワク感。
直接その商品のこと、メンテナンス方法が会話できること。コーディネートの提案もあると、今までの自分とは違った自分にもなれるチャンスが生まれる。

一か八かで買ってみるか!とネットショッピングした服が増えてきて、それがなんとなく服はあるけど着たいものはないクローゼットの原因かと思ったのです。


***

これから来る冬が楽しみなのは、
久しぶりかもしれない。

寒さが大の苦手な私にとって、冬は春を待ち望むだけの耐え忍ぶ期間だったけれども
今年の冬は“新しい靴と季節を楽しめる”そんな冬になるといいな。


読んでいただき、ありがとうございました。
少しでも共感いただけたら、♡いただけると日々のパワーと励みになります☺️

kona

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