写真の方がきれいに映る景色、視覚よりも大切にしたい感覚。
ドライブに行った。
10月初めの那須高原。
都内では感じられない自然を堪能したい!
本当は〈アートビオトープ水庭〉に行きたかったのだが、2023年11月〜リニューアルのため長期休業とのこと、改装前に行ってみたかったけれども今回は日程が合わず断念。
それでも気分転換に遠出をしたいと、都内から車を走らせ3時間弱。まず向かったのは景勝地にもなっている〈木の俣渓谷〉という川辺。
エメラルドグリーンのような深緑色の川をGoogleマップで見つけて気に入り、行ってみることに。
“この綺麗なコントラストのグリーンをこの目で見てみたい!”と期待を膨らませて。
平日の週中、到着すると同じくドライブで来たような大学生くらいの男女、年配のハイキンググループも森林浴を楽しんでいた。
道路から川の方へ降り、いざ川辺の方へ。
周りは多種多様な緑が共鳴している木々。
川を目の前にしての感想。
・・・
“写真のエメラルドグリーンとは違うな”
まぁ季節、気候、時間によって見え方は変わってくるだろうし、ザァーっという川の音とひんやりした空気の中で日々の疲れと雑念が浄化される感覚は、わざわざここまできた甲斐がある。
ふぅーっと大きく息を吸う。
川の水はキリッと冷たく、気分もすっきり。
一応きた記念に見返すことは殆どない写真を撮る。川と木々の写真をパシャリ。
撮った写真をスマホで確認する。
!!!(驚き)
あのGoogleマップで見たエメラルドグリーンの川が手元のスマホ画面に映し出されている。
もう一度川を見る。
エメラルドグリーンではない。
もう一度手元の写真を見る。
エメラルドグリーンの川に、多彩な緑の木々。
目で見るより、写真の方が鮮やかな景色が広がっているというなんとも不思議なマジックが...!
アプリを使わずともiPhoneのカメラ性能はこんなにもレベルが上がっているのかという気づきと同時に、もっとリアルを映して欲しい!と思ったのです。
最近は2000年代のデジカメが流行っているよう。
Y2Kブームの延長か“見た目がカワイイ”“レンズの出てくる音がクセになる”“親世代が使っていた物をもらった”とか街頭インタビューではそんなことを言っている子がいる中、
“スマホよりリアルに映る”
“画質が荒いのが逆にいい”という声が多かった。
この時、“なるほどこういうことか”
と妙に腑に落ちた。
夫にも写真の方がキレイに映る不思議体験を共有し、お次は那須高原へ。
***
紅葉はまだ早いけど、山の一部は少し赤みかかっている。
ロープウェイの麓まで行って標高の高さを感じ、ここでも深呼吸。リフレッシュ〜
次は〈つつじ吊り橋〉という吊り橋へ。
5月頃にはツツジが満開できれいなんだろうな。
吊り橋を渡る体験は初めてかも。
渡り始めようとすると向かいからリードをつけた犬に引っ張られ、へっぴり腰で向かってくる男性が。
“この人どうしたんだろ?”と疑問だったが、吊り橋中腹にさしかかる頃には私も同じ姿になっていた。
この吊り橋、結構揺れるのです。
耐震ビルと同じで揺れる方が安全なのかもしれないけれども、若干高所恐怖症な私はとてもじゃないけど景色を楽しみながら歩ける状況ではない。
しかも、足元は下面までよく見えるようにか、雨が溜まらないようにか鉄格子になっていて、それはそれはよく下が見通せるのです。
真っ直ぐ進むべき正面を見続ける以外、目線を向けるところがない...!
なんとか歩ききり反対側へ。
でも帰るためにはもう一度渡らなければいけない。
斜め前には同じタイミングで渡り始めたおじさん。
“結構怖いなぁ”と手摺りにへばりつく姿をみて
「思ったより怖いですよね」
と(私にしては珍しく)思わず話しかけてしまった。
共感とエールを送り、行きよりかは少し慣れた足取りで紅葉が始まりそうな木々を目下に進む。
ここでも写真を撮りたかったのだが、スマホを落とすかもしれない恐怖には勝てず、ひたすら前進するのみ。復路も無事に渡り切る。
車に戻る道中も、夫とこの吊り橋で味わった想像以上のスリルに興奮し、盛り上がった。
レンタカーで出かけた私達は12時間の期限付きだったため、慌ただしく帰路につく。
中々ヘビーなスケジュールと久しぶりの運転で運転席の夫はお疲れモード。助手席の私もその姿を見てぐったり。
日帰りレンタカーの場合は、片道2時間半の距離が限界という、我が家の掟がひとつ増えたのでした。
***
フィルターをかけなくても、
勝手にフィルターをかけられたような写真が撮れる時代。
Googleマップを眺めているだけで世界中どこでも行った気分になれるし、最近の私はYouTubeで旅行vlogを見ているだけで十分海外旅行気分を味わえている。
(どこかに行くには時間とパワーとエネルギーが必要なので、こんな手軽に旅行気分を楽しめるのは本当に便利)
時間とお金をかけてそこに行かなくても、
視覚から感じることは大体イメージできてしまう。
写真・映像で分からないことは
そこにしかない空気。
音、気温、匂い。
そこで出会った人、経験。
誰かと共有する思い出。
その場所に訪れたときは、
視覚以外の感覚をより研ぎ澄ませていきたいなと思った。
読んでいただき、ありがとうございました。
少しでも共感いただけたら、♡いただけると日々のパワーと励みになります☺️
kona
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