見出し画像

誰にも真似されない、最大の差別化ポイントとは?

テクノロジーの進化と共に、様々な商品やサービスが生まれ、十分すぎるほど便利な時代になりました。そして今なお、止まり続けることなく商品やサービスは生まれ続け、世の中は進化しています。

しかし一方で、類似品も非常に多くで回るようになり、リリース当初は高付加価値を持っていた商品も、市場価値が低下し、一般的な商品になってしまった結果、価格競争に陥ってしまった商品も数多くあります。いわゆるコモディティ化です。

どんなに最初は物珍しく、とても機能的なサービスとして人々の注目を集めたとしても、いずれ真似されてしまう危険性があります。また、真似されるだけでなく、競合他社から勝つためにさらに付加価値をつけたものが世の中に出回るようになると、元々いた顧客が取られてしまうといったことも起こりえます。

しかし、どうやっても真似できないことが一つだけあります。それは、「人生」です。事業者がどんな思いで、どんな原体験があって、その商品やサービスを作ったのか、なぜ事業を続けているのか。

ここが起点となってスタートした事業には説得力があり、「共感」を生む事ができます。そして共感して好きになった商品、企業のことを、最終的には「応援」したくなります。

前回の記事で、ブランディングとは「ファンづくり」だと書きました。例えば、ある音楽を好きになる理由として、そもそもメロディが好きということもあるかと思いますが、やはりアーティストの思いや伝えたいメッセージなどが歌詞として表現され、メロディ自体も作り手の気持ちが曲調に乗っかり、一つの曲として出来上がります。

曲を聞いたときに「元気づけられる」とか「かっこいい」など、感情を動かされたときに、その曲のことを好きになるのではないでしょうか?そして気づけば「ファン」になっている。音楽のファンになれば、今度はアーティストのことを知りたくなって調べるようになり、人柄がわかればさらに好きになり、「応援」するようになっていきます。

これらにはそれぞれ、「機能的価値」「情緒的価値」と、価値を分類する事ができます。音楽の例で言えば、曲自体は思いを伝えるための手段なので「機能的価値」になり、曲を聞いたときに感情が動かされた場合は、これが「情緒的価値」になります。この「機能」と「情緒」の組み合わせで、ブランドが作られます。

これは企業も同じで、例えば、家電メーカーのブランド「バルミューダ」は、企業の思いとして、「驚きや感動、嬉しくなるような、素晴らしい体験を皆様にお届けしたい。」と言っています。

高価格帯にも関わらずヒットした、バルミューダのトースターは、パンを美味しく焼くための機能的な価値だけでヒットしたわけではありません。家にお洒落なトースターを置いて、美味しいパンを食べてもらうことで、"素敵な朝食の時間"というライフスタイルを提供するために、デザインに徹底的にこだわりました。ただパンを美味しく食べてもらうためではなく、「素敵な朝食の時間」を演出したわけです。

このように、ブランドを作る上で大切なのは、「なぜ、事業を行っているのか」「その事業を行うことで、社会をどうしていきたいのか」などの「思い」を起点にすることです。そして「思い」こそ、共感を促し、応援に繋がる、誰にも真似できない最大の差別化ポイントになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?