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何故私はコスプレを、あるいはお洒落をしないのか

交友関係が狭い私ですが、有難いことに長年仲良くしてくださっている方もいくらかおります。
共通の趣味――言ってしまえば二次元オタク趣味で繋がった方はやはり比率として多く、中には同人活動をしている方もおられます。
そして私には、継続的にコスプレを続けておられる長年の友人が複数おります。

私も地元の同人誌即売会にサークル参加し、コピー本を頒布したことがあります。作成したのはほぼ創作小説ですが、最初の一冊はゲームの二次創作漫画でした。
ですが私はコスプレをしたことがありません。他の方のコスプレを観るのは好きですけどね。
同人誌作成は友人や先達(面識のない数多のサークル参加者様)に触発され、自分もやりたい! と突き動かされたのに、コスプレはそうならなかった。

何故なのか?
恥ずかしいから? ちょっと違う。恐らく、元より私に本当の羞恥心などないのです。
面倒臭いから? それは大いに、大いにある。衣装自作の精神的ハードルも高い。不器用で、手芸もマジで家庭科の授業でしかやったことないですし。そうは言っても、同人誌作成も面倒臭いですよね? 漫画の書き方、習いませんよね? でも、それはやりたいと感じ、(簡素&低クオリティですが)やった。
叩かれたくないから? それもだいぶある。お肉も体毛もメガ盛りのボディだし、そうでなくなるために自分磨きする気概もない。

――どの要素も含まれているものの、恐らく根っこに近い部分に繋がっているあろう要素が、三つ目の理由付けとして挙げた『自分磨きする気概もない』というところ。
当然ながらここにも『面倒臭い』は絡んできますが、ならば何故『面倒臭い』を切り崩すほどの関心が湧かないのか。

それは私にとって肉体が感覚器だから。
いや、全人類そうであるはずなんですが――強めに、かつ御幣を承知で言うなら『感覚器でしかないから』というか。
肉体は大事。それを通して世界を認知することで思考が動くから。でも、その肉体が客観的に見てどういう状態かに関心が湧かない。
熱くないか、寒くないか、苦しくないかは大事。マイナスの感覚は受けたくないから。

感覚器であり表現する素材ではないから、身体表現を用いたファン活動であるコスプレをすることに関心が向かない。
感覚器の入力情報から演算した空想を出力するために、同人誌は作りたい。
感覚とそこから生じる思考こそが私の本体だから。

……まだ自身で把握・言語化できていない部分は多いと思うので最終的な結論とは言えませんが、これが現時点での実感です。

好きな服自体はあるんですよ。服を見て可愛いな、素敵だなという気持ち自体はある。
でもそれを身に着けることによって気分はアガらない。その癖、デザインが好ましくない服は嫌というマイナス方面の選別感情だけはしっかりある。
装飾品は美しい。でもそれを身に着けたいという欲求が湧かないし、身に着けても何とも思わない。それが痛かったり、落とすことを気にし続ければならないようなつけ方(冠婚葬祭用真珠イヤリングとか……)ならマイナスにしかならない。
凝ったコスメ製品は可愛い。でもそれを塗ったところで何にも心が動かない。それが現代社会の規範で、肌が負けるほど脆くもないから化粧しているだけ。
あ、でも肌を保護する基礎化粧品の類は必要だと感じる。顔を洗いっぱなしで放置すると乾燥して痛いから。

このように、お洒落による精神面へのプラス影響を受け取っていない上に、主に外部の反応からもたらされるマイナスの影響はしっかり避けたい
陰口を言われるのは嫌。だから体形や肌をカバーする感じにしなければ。ヨレヨレ・毛玉だらけになった服は着ないようにしなければ。
サイズ感が合うこと、苦しくないことが最重要。それでいて無難で、でも最低限は好きと思えるデザインで。結局服選びは義務になってしまう。
靴選びはもっと義務。足が大きめで甲が高いようで、心地良く履ける靴がそもそも少ない!

人生における楽しみポイントが少ないのは純粋に損ですね。

ここから書いていくのはあくまで私が、私自身に関して提示する仮説であり、私限定の話なので、私と似たような感性をお持ちの他の方への決めつけではないということをご了承願いたいのですが……。

私の場合、メタ認知が弱いこと、それ故の客観的な想像力の低さがお洒落への興味のなさに影響しているかなと感じます。
自分の目からは自分の胸から下しか見えない訳です。しかもそう在るのが当たり前すぎるため、どんな形をしていても良く、プラスにもマイナスにもならない。
顔、髪型、体形、服装。それらが他人の視点から見て、どういう像を結ぶのか……臨場感を持って、想像し脳裏に置き、他者の反応を演算する。それをパッシブスキルとして発動し続ける回路が形成されていない。

本当にメタ認知力の関係でこうなっているなら、まぁ欠点でしかないですよね。でも私はこれを是正したいとは思っていません。
……客観的な想像力は生きていく上で磨かなければならないとは思いますが、お洒落に興味を持てないこと自体は「別にいいか……」という気持ちです。
お洒落に心が動かなくても、他の分野で、自然に『楽しい!』と思えることがあるからです。
今後お洒落に興味が湧くことがあるならそれも良し。興味の矛先は多いほど人生が楽しいけど、無理して興味や愛着を持とうとすると欺瞞になってしまう。
興味が湧くことがなくても……とりあえずTPOだけは守った服選びをできるようにわきまえていきたいですね。

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