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ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング(読書メモ)

コミュニティマーケティングを学ぶ上では最適な1冊でした。

本書はコミュニティを通じて日本国内にAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)を浸透させた著者が、そのノウハウを解説した1冊です。

単なる理論書ではなく、著者の実体験やサイボウズ社、ヤッホーブルーイング社といった他社事例も豊富で、わかりやすかったです。

では、印象に残った内容をいくつかピックアップします。

コミュニティに売るのではなく、コミュニティを通じて売る

店員さんにおすすめされてもあまり響かない商材が、利害関係の無い友人におすすめされるとついつい買ってしまうことがあります。

これがコミュニティマーケティングなんだと理解しました(笑)。

コミュニティマーケティングと聞くと、コミュニティに参加している人たちに新製品や新機能をどんどん売りつける様子を想像されるかもしれません。
しかし、これはもっともNGなケースです。コミュニティに売る=SellToTheCommunityでは、「焼き畑農業」と同じで、最終的に収穫できる場がなくなってしまいます。
コミュニティマーケティングが実現するのは、コミュニティを通じて売る=SellThroughTheCommunityだということ。
いきなり「種」を食べてしまうのではなく、コミュニティを通じて、どれくらい多くの「種」が展開されるか。ここが大切なのです。
製品を売る人が、自らをレコメンドするのは、もはや全然響かないのです。そのことに、多くの人が気づき始めています。
みんなの「いいよ」という声を束ね、その声を聞く人を集める場が、マーケティングにおけるコミュニティなのです。
「お客様がおっしゃっていることを 、他のお客様にも気づいてもらう 」 「お客様がお客様を呼んでくださる 」これが 、コミュニティマ ーケティングの本質です 。

商材の一番のファンになる

どんだけ説明が上手くても、想いに勝るものはないと思います。「想いは手法の上流にあり」です。

コミュニティマーケティングにトライしているマーケタ ーの人たちが口を揃えて言うのは 、 「自分自身がその商材の一番のファンになっている 」ということです。 
自分の扱う商材を本当に信じているかどうかは、他人にわかってしまうものです。
それこそ、斜に構えていたりしたら、話にもならない。
一方で、あまりにも強引に自社の製品を売り込んでも、賛同者は集まりません。
自分の商品に誇りを持ち、愛することができる。本当にいいと信じている。その理由は……とスラスラと出てくる人に、フォロワーがついてくるのだと私は思います。

ファーストピンを狙う

「選択と集中」で言うところの「選択」ですね。本書では「コミュニティの初期メンバーやリーダー」がファーストピンになってますが、業種や事業内容によって様々かと思います。

ターゲットとなる1本のピンに対して1個の球を投げ、その波及効果ですべてのピンを倒していく(つまりストライクを取る)、というイメージです。
このストライクを出すために重要になるのが、「1番ピン(ファーストピン)」に相当する人たち。それは、すなわちコミュニティの初期メンバーやリーダーたちであり、このファーストピンとなる人たちの存在こそが、コミュニティをうまくまわしていくうえでの重要なポイントとなります。
コミュニティマーケティングで重要となるのは、影響力がある人や、インフルエンサーのような「リーチ力」の高い人ではありません。そうではなく、商品やサービスに対して熱量を持っている人です。

ちなみに、この話をより理解したければ、スドケンさんの「戦略の立て方(センターピンとオセロの四隅理論について)」がおすすめです。

まとめ

コミュニティマーケティングという言葉だけ聞くと、最近流行りのマーケティング手法に聞こえますが、実態は「魅力的なプロダクツを作り続け、地道な草の根活動によって普及させる」といった商売の基本に近い気がしてます。

また個人的には、ニッチな分野で高い技術力を持つ中小企業こそが、コミュニティマーケティングを活用した営業戦略が必要な時代を迎えていると思います。

単なるマーケティング手法ではなく、今後の企業の方向性を示すきっかけにもなるため、階層や職種問わずおすすめしたい1冊です。

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