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詩 かけそばと世界

(金井さんが突如詩を書いた)

かけそばにわかめをトッピングし忘れた
いましも立ち食いそばがうまい季節
小銭を手に 駅前までせっかく来たのに
わかめなきかけそばにはネギのみが乗っている
食えという どんぶりが私にこれを食えという
なあにがそばじゃあ わかめも乗ってないくせに
そう思いどんぶりの端を見れば
わずかばかり 天かすがひっついていて
私は嬉しかったのかもしれない
かけそばをかっこむ これをいただく
私の身体となれ
私の細胞となれ かけそばよ
かけそば一杯で救える命があります
そのことを誰も忘れてくれるな
日本中を いやもしかしたら世界中を
巡り巡ってきた貨幣で食う それはもう
本当にとんでもないことではないでしょうか
これを食える私はしあわせものであります
腹がみちるなどと おいしくみちるなどと
望むべくもない人々が大勢いてはる
そっただことよういでねえない
私は食ってもいいのか
このかけそばを誰か代わりに食えたなら
飢えたあなたが食えたなら
そのほうがよかったんじゃないでしょうか
トッピング代くらいはおごれます
わかめを乗せるとおいしいです

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